西区の福祉施設で20年にわたり腹話術を披露している 才木 正雄さん 西区西戸部町出身 86歳
子ども好きで腹話術60年
○…デイサービスの事業所をはじめ障害者や高齢者などの福祉施設8カ所で、定期的に相棒「のんちゃん」と一緒に腹話術を披露する。その活動は今年で21年目を迎えた。「2カ月前から予約が入っていますので、どんなお話を披露するか計画を立てるんです」としっかりとした口調で語る。
○…「子どもたちをもっと楽しませたい」その一心で腹話術にチャレンジしたのは20代後半。「色々と道具を必要としないので、僕でもできると思ったんですよ」と当時を振り返る。講習を受けに大阪へ主張するなど勉強を重ね、すでに60年ほどのキャリアを持つ。おばあさんなどの人形もあるが、子どもが大好きなので、使用するのは最初からずっと「のんちゃん」。「長すぎてはいけません。まぁ、14、15分でしょうかね」とオリジナルのレパートリーは20話近くにおよぶ。
○…西区西戸部町の出身。神奈川大学の前身、横浜専門学校を経て県職員に採用されるも「役人は自分に合わない」と数年で辞め、1952年、西区藤棚に「ゆりかご保育園」を設立した。当時としては珍しい「障害児とともに」をモットーに40年以上園長を務め、65歳で閉園。スタッフの高齢化や後継者不在などが要因だった。「大好きな子どもたちと過ごせる保育園をもっと続けたかった」と当時の苦渋の決断を思い出すという。藤棚商店街を歩いていると「園長先生って今でも声を掛けられるんです」と目を細めた。
○…現在、神奈川区で妻と義姉との3人暮らし。健康のためにも食事には気を使うというが「家内にまかせっきり」と苦笑い。腹話術だけでなく、子どもの頃から嗜むバイオリンに、リタイア後に始めた尺八と多趣味だ。「あしたは尺八の公演会なんです」と多忙な日々を送る。「ご縁をたくさんいただいています。幸せです」としみじみと語った。「皆さまに喜んでいただけるよう、腹話術の腕を磨いていきたいですね」
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