県商工のパン考案・販売会を受け入れた「本牧館」の代表取締役を務める 黒川 芳宣さん 中区千代崎町在住 59歳
商人気質に秘めた本牧愛
○…週末には朝から多くの人が焼き立てパンを求めて列をなす老舗ベーカリー「本牧館」。その代表取締役を3年前から務める。店内には常時100種類以上のパンが並ぶが、昔から変わらぬ一番人気は高級食パン「スペシャルブレッド」。はちみつを独自配合したほのかな甘みが人気の秘密だそうで、パンの説明をする時に「あの子は」「この子は」と話す姿にパンへの愛情が感じられる。
○…中区千代崎町で生まれ育つ。「自慢じゃないが、山手トンネルの向こう側にはほとんど出ない」と冗談めかすほど大の本牧好き。北方小から仲尾台中に進み、高校卒業後は父が本郷町で営んでいた青果店を継いだ。市場で揉まれた性格なのか、当時は「思い立ったらすぐ行動。走りながら考える」猪突猛進型だった。
○…その後、地元へのスーパーマーケット進出などによって店をたたみ、叔父が経営していた「本牧館」に転職。野菜からパンの世界に飛び込んだ。「本牧館に入って20年。社長を引き受けた時も大きな決断だった。野菜もパンも生鮮食品。味はもちろんだけど(青果店経営)当時の経験から、鮮度、パンで言えばいかに美味しい焼き立ての状態でお客様に届けられるか。そこがこだわりかな」
○…自他ともに認める大の「お祭り好き」。毎年本牧神社の神事「お馬流し」の時期が近付くと「体が疼きだす」と大きく笑う。そして、今志すのは「本牧の再興」。「昔はさ、『本牧』というと一つのステータスだった。歳を重ねたせいか、当時の賑わいが懐かしくてね。若い人たちにも本牧で生まれたことを誇りに思ってもらいたい」と、各地で町内会・商店会長など会長職を務めるかつての同級生らと熱い議論を交わす。「これまで長年地元のお客様に支えてもらい、『本牧』の名を掲げる店として、今後は地域に積極的に貢献していきたい」。パンを模したネクタイピンを愛でながら楽しそうに語っていた。
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