東日本大震災の発生から約半年。あの日の経験から日頃の備えの大切さが見直され、地域の防災力に注目が集まっている。災害時に避難の拠点となる「地域防災拠点」について現状と課題を聞いた。
横浜市では、災害時の避難場所として「地域防災拠点」や「地域医療救護拠点」、「広域避難場所」などを区内各地に設置している。
その中でも、家屋の倒壊などにより自宅に戻れない場合に避難生活を送る場となるのが地域防災拠点だ。
中区には14ヵ所、西区には12ヵ所の拠点が整備され、各拠点は地元の自治会などで構成される運営委員会によって管理されている。西区の軽井沢中学校地域防災拠点の運営委員会会長、宮本達郎さんは「この半年で拠点の場所を改めて確認する人が増えた」と関心の高まりを感じている。
また、震災後はテレビで避難所の様子を見た住民から「トイレの用意はあるのか」といった意見も多く寄せられた。備蓄倉庫には毛布や簡易トイレ、発電機などの生活・救護用品のほか、2000食分の水や食料が保管されている。現在、市も改めて備蓄の見直しに入っているが、早急な対応は難しいのが現状だ。
また、資機材の維持管理も大きな課題だ。発電機の故障が発見された場合など、区に修理を依頼することもあるが、拠点は基本的には運営委員会が管理をすることになっている。しかし、定期的な点検作業などに”地域差”があるのが実情で、西区役所では「しっかり機能する拠点運営のため、一層の協力をお願いしたい」と呼びかけている。
より実践的な防災訓練を
防災への関心が高まるなか、9月4日(日)と11日(日)には中区・西区の各地で防災訓練が行われる(日程は中面参照)。
これまでの炊き出しや仮設トイレの設置、消火器訓練などの訓練に加え、今年は「より実践的な訓練」を取り入れるところが多い。
例えば、前述の軽井沢中学校では、体育館をテープで畳一帖分ずつに区分けし、実際にそこで避難生活を体験する。また、中区の大鳥小学校では、夜間に電気を消した状態で投光機を実際に組み立て、ランタンの光で防災倉庫から物資を運び出す「夜間訓練」を行う。宮本さんは「行政に頼るだけでなく『自分たちの地域は自分たちで』という気持ちが大事。訓練も繰り返し行って、いざという時に備えたい」と話す。
各区の防災拠点や防災に関する問合せは中区総務課【電話】045・224・8112、西区総務課【電話】045・320・8310まで。
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