東日本大震災の発生から間もなく1年。福島第一原発の事故で飛散した放射性物質への不安が続くなか、横浜市では区役所で放射線量測定器の無料貸出しが始まった。民間でも市民有志が測定器を購入して独自に食品を検査するなど、「自衛」の動きは今も続いている。
原発事故では、横浜市内でも周辺より高い値の放射線量が測定された場所(マイクロスポット)が見つかるなど、放射性物質に対する不安が広がった。市では、事故以降、磯子区の環境科学研究所や市内の認可保育園、小・中学校などで放射線量を測定してホームページ等で公表してきた。
そして、今年1月からは市民から要望の高かった放射線量測定器の無料貸し出しを各区役所で開始。1区ごとに2台を保有し、開始直後は関心の高さを反映して予約で連日埋まる状況だったが、現在は中区・西区ともに比較的借りやすい状況だという。これまでの予約件数は中区が77件、西区が52件(3月2日現在)で、現在は4月27日までの予約を受け付けている。
西区で測定器を借りたある母親は「小学生の子どもへの影響が心配で利用した。自宅の室内やベランダ、建物周りなどを調べたが、思ったより数値が低くて安心した。ただ、今後も不安は残るので、できればまた借りられるようになるとありがたい」と感想を話した。
貸し出しは区内在住の20歳以上の市民が対象で、一世帯で1回(1日)のみ。貸し出しは平日のみの午前9時から午後4時で、利用には事前予約が必要。申し込み・問合せは中区【電話】045・224・8238、西区【電話】045・320・8379まで。
民間独自の調査も
市民が独自に食品の放射性物質を測定する「横浜市民測定所」が3月5日、磯子区にオープンした。
同団体は行政に頼らず食の安全性を確保しようと、会員らのカンパでベラルーシ製の1台約130万円する測定器を購入。一般からの依頼に応じて食品に含まれるヨウ素やセシウムなどの放射性物質を調べ、結果を依頼者に返送するとともに、結果の一部をホームページ上で公開する。
測定所の具体的な場所は非公開。測定を依頼する場合は、ホームページ(【URL】http
://www.ycrms.net)から申し込む。測定料金は1検体につき3000円から。
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