中区の京急線日ノ出町駅前の再開発事業が本格的に始動する運びとなった。複雑な権利関係や景気の影響を受けて事業者の変更や計画の修正を余儀なくされるなど、当初の予定から計画が大幅に遅れていた。今年12月に着工し、2015年1月のオープンを目指す。
計画では日ノ出町駅前の約7千平方メートルの敷地に、地上21階地下1階の高層ビルを建設。1〜3階には地域密着型の商業施設やクリニックモールが、4〜7階には介護事業のツクイが運営する有料老人ホームが入り、8〜21階は大京と大和ハウス工業が取得して集合住宅(187戸)を分譲する。
この事業は2008年に都市計画決定を受けたものの、リーマンショックによる世界的な景気低迷のあおりを受けて計画が一時棚上げに。11年に事業計画認可、そして今年2月に権利変換計画の認可を神奈川県から受け、改めて正式に事業着工の運びとなった。6月から計画地内の建物除去や整地が進み、12月着工となる。
事業を取りまとめる日ノ出町駅前A地区市街地再開発組合の高橋裕一郎理事長は「今は元気がなくなってきているが、この地域のポテンシャルは高いと信じている。この再開発を駅前だけでなく地域全体の活性化に繋げ、街の魅力を次の世代に引き継いでいきたい」と話す。
事業では複合ビル建設だけでなく、大岡川の護岸に人々が集える親水空間を設けるほか、桜木町や野毛、伊勢佐木町とも連携して街の回遊性向上を目指す。事業詳細は組合ホームページ【URL】http://www6.ocn.ne.jp/~hinode-a/で確認を。
30年越しの計画実現へ
同地区の再開発への取組みは昭和50年代に始まった。駅前の一等地ながら路地裏の細い通りには老朽化した40棟近い建物が密集し、土地の有効活用が図られてこなかった。地権者の高齢化も進み、それぞれの考えがなかなかまとまらなかった。
高橋さんは「当初の予定から随分と時間が経ってしまったが、関係者の協力のおかげでここまで来ることができた。地域への恩返しの意味でも再開発を成功させ、この地の新たなシンボルにしたい」と話した。
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