横浜繊維振興会の会長にこのほど就任した 松村 俊幸さん 中区在住 54歳
横浜シルクの魅力を発信
○…市内を中心とした繊維産業の企業でつくる「横浜繊維振興会」の会長に8月22日付で就任した。横浜の開港後、生糸や絹織物の輸出が盛んとなり、そのシルクで作った「横浜スカーフ」は戦後世界シェアの8割、国内の9割を占める人気を誇った。その後の円高などで苦難の時代もあったが、その品質や技術の高さは今なお高い評価を受けている。会長就任にあたっては「若手も育ってきているので一緒に協力しながら、横浜のシルクの魅力を積極的にPRしていきたい」と熱っぽく語る。
○…1908(明治41)年創業の絹織物の輸出入・販売を手掛ける松村株式会社の3代目として経営を継いで12年。同社は100年を超える歴史の中で、関東大震災や第2次世界大戦、そして戦後の混乱期の試練を乗り越え、横浜の絹織物の歴史を作ってきた企業のひとつ。「祖父や父が築いてきた伝統に対するプレッシャーもあるが、社訓の『堅実経営』をモットーに、一歩ずつ前進していきたい」。温和な語り口だが、一言一言に背負っている責任の重みが感じられる。
○…「小さい頃から父は仕事が忙しく、一緒に夕食を食べたり、遊んでもらった記憶がほとんどない」と幼少期を振り返る。間門小、大鳥中、横浜緑ヶ丘高校卒の本牧っ子。横浜市会で議長まで務めた父は息子に商売だけでなく地域貢献の大切さを語ってきた。その言葉を胸に母校のPTAや同窓会会長を務め、本牧ロータリークラブの一員として奉仕活動にも従事する。「商売でお世話になっている地元に恩返しするのは当然のこと」と謙遜するが、周りからは「面倒見のよい兄貴肌」としての信頼も厚い。
○…妻と娘2人と暮らす。家族からは「パパは人の世話ばかりで、家族の面倒を見ない」とチクリ。「そういう面でも父に似てきているのかな」と苦笑する。業界や地域のため、家族団らんの時間はもうしばらくお預けとなりそうだ。
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