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新春インタビュー 強み生かし、飛躍の年に 林市長、市政への抱負語る

公開:2013年1月1日

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インタビューに答える林市長
インタビューに答える林市長

 2013年の幕開けに当たり、本紙では林文子横浜市長に対し恒例の新春インタビューを行った。1期目の任期が夏までとなる林市長は、13年度予算を通年予算で編成することを明言、その上で防災や子育て等の施策推進に強い意欲を示した。(聞き手/本紙・熊坂淳)

 ――まずは、昨年1年の振り返りをお願いします。

 「12年は成果結実の年と位置付けてきました。お陰様で保育所待機児童は大幅に減り、待機児童ゼロが見えてきました。また、一昨年、国の環境未来都市に選ばれて以降、環境問題に先進的な取り組みを進めている都市という評価も広がってきていると思います。文化・観光分野では、ダンスイベントに125万人もの集客があるなど、経済効果を含め着実に成果が出ました。諸外国との交流も一層進み、国内外における横浜のプレゼンス(存在感)が高まったことを肌で感じることができました。また、”おもてなしの行政サービス”を基本に職員の意識改革を図ってきた結果『最近区役所の対応が変わった』という声を市民の皆様から聞けるようになり、大変嬉しく思っています。『中期4か年計画』の中間評価では、全46の施策・取組のうち93%が中間期での目標を概ね達成でき、手応えを感じているところです」

役所風土に変化

 ――1期目の任期は今年の夏までです。3年半余の成果や感想をお聞かせ下さい。

 「私は経済界から市役所に入ってきたので、当初は文化の違いというものを感じました。そんな中、まずは私自身が職員の皆さんの職場を回ることが大切だと考え、おもてなしの意味や営業マインドという考え方を自分自身の言葉で伝えてきました。その結果、おもてなしの精神や職員が自分たちで考え、行動するという風土が浸透してきたように思います。

 政策的なことでいえば、少子高齢化時代にあって女性の活躍の場をもっと作らなくてはという思いが強く、子育て環境の整備に重点的に取り組んできました。また、世界的な厳しい経済情勢の中、中小企業や商店街支援にも力を注いだほか、企業誘致にも努めてきました。また、私自身がトップセールスを行い、横浜を国内外に売り込んだ成果が出てきていると思っています」

予算は「通年」で編成

 ――13年度予算は本格的予算として組むのか、それとも次期市長のフリーハンドの部分を多く残す骨格予算で編成するのか、そのあたりはいかがでしょう。

 「市政の継続性は大事です。市政を停滞させることは許されませんので、通年予算を編成していくつもりです。ただ、ここ数年は、年間の補正財源が留保できていないので、そういう意味では、財源を確保しておきたいと考えています」

防災・減災を最優先

 ――その13年度の重点施策をお聞かせください。

 「新年度は『中期4か年計画』の最終年度、総仕上げの年です。まずは、今年3月に策定する新しい『横浜市防災計画』を踏まえた防災・減災のまちづくりを優先度の高い政策としてしっかり進めていきます。そして、未来を担う子どもたちを健やかに育てる支援策を充実させたいです。児童虐待対策を充実させると同時に、先生方が子どもに向き合う時間を確保できるよう児童支援専任教諭の配置や学校カウンセラーの派遣をさらに充実させます。また、子どもたちがたくさんの本と出合える環境作りも進めたいと思っています。保育所待機児童ゼロを実現するとともに、学童保育などの就学児童の対策も進めていきたいと思っています。それから女性起業家の支援など、女性が活躍しやすいまちづくりをさらに推進します。そして文化芸術・観光・MICEです。今年6月にはアフリカ開発会議が横浜で開催されます。これは横浜が国際コンベンション都市としてさらに注目される重要なチャンスになります。中小企業振興基本条例のもと、融資だけでなく様々な面で企業の相談に応じるなど、支援を充実していきます。特に、環境やバイオなどの成長産業を育成していきたいですね。さらに、市民の皆さんの健康づくりを推進する施策に取り組みます。横浜市では2025年に高齢者が100万人を超えると推計しています。健康づくりのために新しい仕掛けを今考えていますので、近いうちに提案させていただきます。

都市整備も前進

 そして、横浜の活力を生み出す都心部と都市基盤の整備です。今年3月、戸塚駅の西口再開発事業が完成します。市内西部・新横浜を東京都心部と結ぶ『神奈川東部方面線』整備も引き続き進めますし、横浜経済の柱となる横浜港と日本の大動脈である東名高速道路を直結させる『横浜環状北西線』の整備を前進させます。そして環境未来都市として省エネルギー対策の推進など低炭素社会を実現していくのに必要となる技術革新にも力を入れます」

 ――原発に頼らない再生可能エネルギーによる発電事業を横浜市として進める考えはありますか。

 「みなとみらい地区を”スマートシティ”のモデル地区に指定し、現在、実証実験を進めています。エネルギーの地産地消や災害時の安定供給は理想的な話なので、やらなくてはならず、研究を進めています」

暮らしたい街を

 ――市民にメッセージを。

 「まずは、日ごろの市政へのご支援に対し改めて感謝申し上げます。今年は横浜にとって飛躍の年になると私は確信しています。08年の第4回アフリカ開発会議、10年のAPECの横浜開催に続き、横浜市民の皆さんのホスピタリティで第5回アフリカ開発会議をぜひ、成功させたいと考えています。経済成長著しいアフリカとビジネスをはじめとして深くつながるチャンスになると期待しています。そして今年3月、みなとみらい線が東京都心を経由して埼玉まで一気につながります。そして3月には緑区と戸塚区に区民文化センターが竣工します。ぜひ新しい賑わいの場にお出かけいただいて、皆さんで盛り立てていただきたいと思います。社会経済情勢は刻々と変わりますが、今年も市民の皆様の安全安心をお守りし、環境分野、文化芸術・観光・MICE、港など、横浜の強みを生かす施策を積極的に推進していきます。こうした施策を通して、多くの人が暮らしたい、暮らして良かったと思っていただけるような街づくりに向け全力で走っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします」
 

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