西消防署(西区戸部本町)に5月15日、緊急車両専用の給油所が整備された。東日本大震災の際に横浜市内でも燃料不足が発生したことがきっかけで、西区のほか中・神奈川・保土ケ谷・南の5区をカバーする。
専用給油所は、大規模災害発生時に消防車両や区役所、土木事務所の緊急車両に給油を行う。今回、西消防署をはじめ戸塚区の消防訓練センターや青葉消防署など市内5カ所に整備され、軽油とガソリン合わせて25万リットルを備蓄する。市内の緊急車両が1週間走行できる量に相当し、市全域の消防施設がいずれかの給油所から半径10Km圏内となるよう配置されている。
西消防署の給油所には軽油3万リットル、ガソリン2万リットルを備蓄。自家用発電設備も備え、停電時の給油も可能になった。市外では東京都や川崎市が以前から独自の給油所を整備していたが、横浜市では初めて。燃料補給車なども導入され、総事業費は3億4800万円。
震災がきっかけ
通常、消防車や救急車は各地域で提携するガソリンスタンドで給油を行い、災害時には優先的に給油を受けられる協定を県石油業協同組合と結んでいる。
しかし、東日本大震災時には燃料の流通不足から供給が危うくなり、消防車両がガソリンスタンドの列に並ぶこともあったという。
市消防局の担当者は「市民の安全を守る消防車や救急車が、災害時に現場に向かえないということがあってはならない。今回の整備でその不安を払しょくできるのは大変大きい。日頃の維持管理を含め円滑に運用し、大規模災害に備えたい」と話している。
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