中区出身福田さん ふるさと横浜で初の個展 世代越えた「母の姿」人形に
中区花咲町出身の創作人形作家、福田朝子(ともこ)さん(73)の人形展が7月13日(日)まで、横浜人形の家で行われている。生まれ育った横浜で初開催となる今回は、「母」をテーマに50点90体を展示。1日に行われたオープニングイベントでは、母校である本町小学校邦楽クラブの児童たちによる演奏が披露された。
福田さんは本町小学校、吉田中学校、横浜立野高校を卒業。20歳まで横浜で暮らす。創作人形作りを初めたのは、40歳のとき。2児の母親として、子どもたちの洋服やおもちゃを手作りするなど、布やモノ作りが好きだったことから、創作人形作家の浅見恵子氏の作品に魅かれ、3年ほど師事。
その後は独学で学び、女性の人形を中心に身近な題材を取り上げてきた。
制作は「焦らず1体ずつ時間をかけて」。顔は粘土、体は綿布を縫製し、木製パッキングを詰めて作る。肌は染色した布を貼り付けて表現。「早く下着を着けて」「そんな服着たくないよ」。聞こえてくる人形の声に耳を傾け、会話をしながら何度も作り直し、表情や仕草、洋服の一つひとつを丁寧に仕上げていく。20〜40cm程度の大きさの人形を1体作るのに2カ月以上かける。
会場には、背中の丸みがかわいいおばあちゃんから肝っ玉母ちゃん、へそピアスにミニスカートで自分流子育てを楽しむ若いお母さんなど、母親を中心とした「女性の内に秘めた強さや優しさ」に溢れる作品が並ぶ。「郷愁の想いからか涙ぐみながら鑑賞する人が多い」と同館。現在、埼玉県熊谷市に住む福田さんは「いつか横浜に帰りたいと思っていた。作品を通してふるさとに帰れるなんて夢のよう」と喜びを語っている。
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