居留地研究会の全国大会ホストを務める「横浜外国人居留地研究会」会長の 斎藤 多喜夫さん 中区育ち 67歳
居留地から共生知る
○…10月4・5日に横浜で初めて行われる「外国人居留地研究会」の全国大会。その運営団体である横浜の研究会会長として準備に余念がない。初日には、フェリス女学院大学音楽部による演奏会も企画、2日目のシンポジウムはほぼ満席と予想以上の反響だ。
○…幕末、開港に際して外国人居留地を設置した箱館(函館)・東京・横浜・大阪・神戸・長崎の6都市の研究者が、各都市で研究会を設立。2008年に第1回目の全国大会が神戸で開かれ、その後、各都市を巡り「次は横浜で」と、今回の運びに。横浜の研究会は、市内を案内するシティガイド協会のメンバーを中心に、居留地に関心のある30人ほどが集まり、12年の年末に結成。東京での全国大会に参加するなど研究をスタートさせた。活動は、2カ月に1回の勉強会、また史跡見学会も実施する。「山下町や中華街、山手は広いので数回に分けて巡りました」
○…磯子区生まれ、中区滝之上育ち。東京教育大学では日本史を専攻。卒業後は専門外の世界史講師として高校の教壇に立つも、30歳で都立大の大学院に進み、念願の日本古代史を研究。院修了後、タイミングよく横浜開港資料館の準備室に席を置くことになった。30年ほど調査研究員を務めた。「謎の写真家といわれたF・ベアトの写真展は、過去最高の入館者数を記録しましたね」と手掛けた企画を振り返る。日課は愛猫「ひろき」との散歩。馴染みの薄い猫の散歩については「訓練するとちゃんと学習しますよ」とにっこり。息子は独立し、泉区の自宅では妻と娘、そしてひろきを含めた3匹の猫と暮らす。
○…居留地の研究を通して「多文化共生社会があったことが分かります」と研究者の目で語る。主に日本・欧米・中国の文化が、それぞれの固有文化を保ちながら共生していた、そんな過去の歴史を通して、「多文化社会に理解を深められたら」と抱負を語った。
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