本牧神社の神事『お馬流し』が今年で450回を迎えることを記念して、同神事の歴史などをまとめた映像記録を、氏子ら有志が5月末に完成させた。同神社氏子で責任役員総代を務める宮崎邦雄さん(85)は「歴史をひも解く貴重な資料となった」と話している。
お馬流しは、毎年8月上旬(今年は8月1、2日)に本牧神社例祭の特殊神事として執り行われており、カヤで作られた6体の馬にけがれを託し、本牧の沖合に流し去るというもの。県の無形民俗文化財にも指定されている。
この映像記録は約45分。明治時代の写真や埋立直前の1963年当時の貴重な動画など、お馬流しの歴史を収めるとともに、本牧十二天から本牧町2丁目、現在の本牧和田への遷座など、本牧神社についても詳しく解説されている。
今回の取り組みは、「第450回お馬流し記念事業」の一環で、同神事を後世に継承することを目的に、氏子を中心に1年近い歳月をかけ作成された。郷土資料館「八聖殿」の相澤竜次館長と同神社の當麻洋一宮司が監修しており、学術的にも裏付けられた資料となっている。
記録媒体は、鮮明な映像にしようとブルーレイディスクを選択。同事業委員会では、事業協賛に対する返礼として同ディスク(非売品)を贈呈する予定だ。
地域のつながり再確認
同神社の責任役員総代を務める宮崎さんは「氏子が450回目を盛り上げようと企画した。その熱意に敬意を表したい。映像を見ると昔の記憶がよみがえります」と目を細める。
作成に携わった映像部会メンバーの羽生田靖博さん(58)は「地域あげて取り組む『お馬流し』を再認識することで、地域のつながりの大切さを感じて欲しい」と期待する。同部会に参加した同神社権禰宜(ごんねぎ)の鶴岡和彦さん(68)は「大都会の近くにこのような伝統神事があり、450年もの間、地域の方々によって受け継がれてきたことを知ってほしい」と話していた。
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