6月21日 「中区童謡の会」でピアノ・ソロを披露する 佐藤 来(きたる)さん 中区西竹之丸在住 76歳
遅咲きのピアニスト
○…「チャレンジ精神が旺盛なんですね」とピアノを始めたのは13年前、大手総合商社を定年退職して数年目のことだった。「大人向けの教室がありまして」と、何かを諭すように優しく語りかける。「中区童謡の会」の初舞台となる21日には、ショパンの『子犬のワルツ』を弾く。「ピアノと漫談をしたい」とユーモアたっぷりに会話が弾む。
〇…依頼が舞い込んだのは4月中旬、参加している合唱団の縁からだった。選曲にあたりショパンかブラームスかで悩んだというが、決め手は「誰もが知っている楽曲」。ロンドン赴任時代、20世紀最大のピアニストの一人として知られる、ルービンシュタインの演奏会で耳にした子犬のワルツが忘れられないという。また、愛犬2匹の存在も選曲を後押ししたようだ。本番までの2カ月、毎日1時間程度の練習は欠かさない。
〇…中国の大連生まれ。外交官だった父は信念を突き通すタイプでおもねることを是とせず、終戦後に外務省を去った。その後、家族で北海道に移り住み晴耕雨読の日々を送る。東大法学部に進学、父の背中を追い一度は外交官を志したこともあったという。自民党の加藤紘一元議員は、ともに勉学に勤しんだ学友だ。同大卒業後、ケンブリッジ大学とハーバード経営大学院で経営学を履修、総合商社に就職しロンドン6年、NY7年、トロント3年と海外経験を豊富に持つ。そこで育まれた縁で今も外資系企業の日本法人代表も務めている。
〇…「犬を飼えるマンションを探して」出会ったのが現在の自宅だった。今では「横浜を愛してやまない」。妻からはピアノの演奏に色々と注目が多いようで、時折、葉山の別邸に籠るという。男声合唱団やゴスペル団体にも所属しており、ゴスペルは「平均35歳くらいの仲間と毎週練習しています」とにっこり。「何事も一生懸命にやると楽しいもの。それが幸せなんだと思います」と目を細めた。
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