青少年が交流できるスペースや地元のサークル活動などに利用されてきた横浜市青少年交流センター(愛称ふりーふらっと野毛山)=西区老松町25=が耐震性を理由に今年度末で閉館することがこのほど発表された。それに伴い6月25日、市が民間ビルを借り上げて同センターの機能維持に努める代替策が示された。市は来年4月から再スタートできるよう準備したいとしている。
同センターは、青少年の活動や交流を支援し、自立や育成を図ることを目的に、1970年に建てられた市の施設。鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建で、青少年が自由に使える交流スペースや会議室、スタジオ、体育館、料理室などを備えており、昨年度は延べ約14万6千人の利用があった(うち青少年の利用は延べ約8万人)。同様の施設は市内6区に設置されているが、そのうち最大規模。
閉館の理由は、市こども青少年局青少年育成課によると、耐震診断において「地震の震動、衝撃で倒壊・崩壊する危険性がある」ためとしている。
代替策は、民間ビルの借り上げなどを想定し、床面積は現状の約1300平方メートルから約500平方メートルになる見通し。交流スペースなどはそのまま残すが、体育室機能や料理室機能などは計画に入っていない。また、具体的な場所についてはまだ決まっていないのが現状だ。この代替策は、4月末に3回行った利用者説明会で出た意見をもとにしたもの。
子どもの居場所機能維持の方針
市青少年育成課では、建替えた場合について正確な算出は難しいとしつつも「10億円位かかるのではないか」と話し、「来年4月から新施設でスタートできるように利用者の声を聞いた上で、必要な機能を判断し影響が出ないように最大限配慮したい」としている。
同センターの交流スペースは、一般の利用者に加えて、不登校や親が不仲などの理由で家庭にいづらいという子どもの居場所にもなっている。その機能を支えているのが同センター最大の特徴である「ロビーワーク」という活動だ。
職員は、施設の貸出に関わる業務だけでなく自習や漫画を読みにフリースペースを訪れる青少年に声をかけるなど、日常的にコミュニケーションを図り、家庭の事情や悩み事など青少年が相談しやすい環境作りにつとめている。移転後もこの機能は維持する方針だ。
富岡克之センター長(37)は、「コミュニケーションを取ることで、家庭環境がわかり、虐待やネグレクトといった問題が表面化することもある」と話し、状態がひどい場合には関係施設と連携するなどして保護してもらうなどの措置を取ることも可能だという。
同センターの体育室を利用していた男子中学生は「遊び場がなくなってしまうのはさみしい」と話した。
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