県の包括外部監査で全国市民オンブズマン連絡会議から最優秀賞を受賞した 橋本 吉行さん 中区在勤 60歳
社会の隘路(あいろ)に光射す
○…神奈川県の財務状況等を第三者の視点から調査する包括外部監査を昨年、一昨年に担当。このほど、全国119自治体の同監査を”監査”する全国市民オンブズマン連絡会議の2014年度評価で最優秀となる「オンブズマン大賞」を受賞した。
○…99年から始まった神奈川県の包括外部監査を弁護士として初めて担当。昨年度は神奈川県警をテーマに取り上げ、膨大な資料から警察費の執行を細かく精査、362ページの報告書にまとめ上げた。全国でも警察費に踏み込んだ監査は少なく、その成果が評価された。「賞をもらうのが目的ではないが、評価を頂き嬉しい。これを機に、市民に見えづらかった警察の問題点に光をあてられれば」。優しい語り口ながら、報告書に込めた想いを語る。
○…横浜弁護士会所属、同会副会長も務めた弁護士歴30年のベテラン。兵庫県出身で早稲田大学進学とともに上京。弁護士を志したのは高校生の頃で、当時大きな問題となっていた全国の公害訴訟のニュースを見て社会正義を追求する弁護士に憧れた。勉強をしながらアルバイトで生計を立てる浪人時代を経て司法試験に合格したのは27歳、4度目の正直だった。「実は、学生時代から付き合っていた現在の妻と既に結婚する約束をしていて、試験に落ちたらどうしようかと崖っぷちの心境だった。でも、この時代の経験が自分の宝」と白い歯を見せる。
○…鎌倉在住。仕事の息抜きは居酒屋巡り。太田和彦著『居酒屋百名山』がバイブルで、野毛の武蔵屋などこれまで全国46店を訪れた。また、東海道53次を休日を利用して少しずつ歩き、今年2月に完歩。座右の銘は「巧詐不如拙誠」。巧みに偽り誤魔化すのは拙くても誠意があるのには及ばないの意で、「アルバイト時代に上司からもらった言葉。人と向かい合う時はこの姿勢を崩さずにいたい」。胸のバッジからもその信念が感じられた。
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