ホテルニューグランドで個展を開く 柳下 敦子さん 中区在勤
感謝の人生
○…「仏像の絵を描いているときは主人と一緒。仏壇に向かってこれから描くよ」と一言。夫を亡くしてから仏像をテーマに油絵の制作活動を始めた。今月27日から自身初となる個展をホテルニューグランドで開く。以前はみなとみらいの風景画なども描いていたが、「仏像は人の形をしているし、やわらかい感じがする」とテーマを変えた。どの色を使うか悩んだときは夫に聞く。「直感で選んだ色でつくります。夫と一緒に描いているような感じ」
○…生まれも育ちも横浜。小学校から高校まで横浜雙葉学園で学び、服飾デザインを勉強しに東京の大学へ進学。20数年前、亡き夫の跡を継ぎ急きょ専業主婦から不動産管理会社の5代目社長に。その際には雙葉時代の友人が毎日代わる代わる家に来てくれた。「四十九日までは遺骨のそばにいてあげないと。でも仕事は空けられないから本当にありがたかった」。夫との縁も友人がきっかけだ。夫の妹と同級生だったことから、結婚前からよく家に遊びにいっていた。そこで二人は出会う。「いつも私の他愛もない話を聞いてくれてね。主人を尊敬しているのよ。そばにいるだけでほっとする存在」
○…主婦から社長になって苦労したことは、経理関係。「通信教育で勉強しました。いまでも難しいですよ」と苦笑い。趣味は小学2年の頃から習っている能楽にはじまり、華道や社交ダンスなどと幅広い。「やりたいことがいっぱいあるから、のんびりするよりアクティブに動いていたい」
○…「いまの私があるのは身体を丈夫に産んでくれた母や支えてくれる周りの友人、寄り添ってくれた夫のおかげ」と何度も感謝の言葉を口にする。個展を開くにあたって、地元ロータリークラブの力添えも欠かせなかった。チラシもその仲間にデザインしてもらったものだ。「いつまでもめそめそしていたら主人が悲しむ」。夫のために今日も一筆ずつ想いを込めて筆を執る。
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