中区の元町・山手地区にある4つの橋とトンネル1本が、このほど、高い文化的価値を有するとして土木学会の2015年度「土木遺産」に認定された。全国で認定された21施設のうち、県内からは中区の5施設のみだった。
認定されたのは、関東大震災後に整備された震災復興施設群である「山手隧道」「櫻道橋」「西の橋」「谷戸橋」「打越橋」の5施設。
自動車の普及に伴い市電が廃止され、高速道路が整備されるなど社会が大きく変化する中、5施設は現在まで廃止や架け替えられることなく約90年にわたり住民の生活を支えてきた。また、開港の場であった関内地区と関外地区をつなぎ、横浜の都市形成にも重要な役割を果たしてきた。
市は、これらの文化的価値がある5施設を、権威のある公益社団法人土木学会が認定する「土木遺産」に応募、その価値が認められた。市道路局橋梁課では「今回の認定を光栄に思う。後世にしっかりと残していく責任がある」と話していた。
谷戸橋や西の橋の地元、元町自治運営会の顧問を務める杉島和三郎さん(87)は今回の認定について「とても喜ばしいこと。今後は、この遺産をどのようにして地域に根付かせるか。元町のイベントなどで発信していきたい」と語っていた。
これまで市内には、今回の震災復興施設群の他に、南区と保土ケ谷区をつなぐ「東隧道」と南区の「大原隧道」(認定06年度)、また磯子区と南区にまたがる「堀割川」(同10年度)の2つの土木遺産があり、今回の認定は5年ぶりとなった。
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