横浜市はこのほど、西区浅間町にある「木村坦乎(たんこ)先生の碑」を新たに市登録地域有形文化財(歴史資料)とすることを決定した。
木村坦乎は1853(嘉永6)年に仙台藩医の家に生まれ、1910年から尋常帷子小学校に勤務した。そのエピソードは郷土史『ものがたり西区の今昔』にも記されている。
坦乎は当時、貧困による未就学児が多かったことを憂い、14年に同校を退職し、私立「隣徳尋常小学校」を設立。始めは少なかった生徒の数も月謝の免除や教科書の貸与、坦乎ら熱心な教師の家庭への説得などで、徐々に増えていった。しかし、関東大震災で校庭内にあった自宅が倒壊して圧死。一生を独身で通し、無欲で酒も飲まず、教育者として尽くした人生だった。
そして、故人を偲ぶ有志により25年に記念碑が建てられた。横浜市では今回の登録理由として「明治・大正期に小学校教育がさまざまな人の大きな努力によって普及したことを示す記念碑として、後世に伝えるべき貴重な資料である」としている。
浅間車庫前公園にある石碑には、坦乎の徳をしのぶ多くの人々によっていつも花が絶えないという。
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