横浜能楽堂=西区紅葉ヶ丘27の2=が12月末に、横浜市所管の文化施設として初めて「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」の内閣府特命担当大臣表彰優良賞を受賞した。公共劇場の受賞は珍しく、全国で2例目。中村雅之館長は「公共文化施設としての役割が高く評価され、とても嬉しい」と話した。
この表彰は、バリアフリーおよびユニバーサルデザインの推進に顕著な功績があった個人・団体を対象に2002年度から実施されており、毎回6から16件が選ばれている。
今回、横浜能楽堂が優良賞を受賞したのは、00年から開催している「バリアフリー能」が高く評価されたことにある。点字パンフレットや台本にルビをふるなど、視覚・聴覚・知的などの障害者が「能」「狂言」を楽しめるような工夫を凝らしている。公演後には能楽堂の職員が参加した障害者支援団体などを訪問、サポート内容などについて聞き取りをし、次回にその反省を生かしてきた。また、参加者との意見交換会を開くなど障害者のニーズ把握に努めている。中村館長は「よりよいものにしたいという思いがあってこそ」と職員の姿勢を評価する。
「バリアフリー能」は、中村館長が障害者向けの能舞台を見たのがきっかけ。健常者と障害者が一緒に鑑賞できる公演を実現しようと企画。当初、隔年開催だったが、好評のため12年からは毎年実施しており、今年3月19日の公演で15回目を迎える。
能楽堂は1996年に開館。当初から公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が管理・運営する。能や狂言のほかにも「日韓古典芸能祭」や初心者向けの「横浜狂言堂」など様々な自主企画事業を展開する。
本舞台は、1875(明治8)年、東京・根岸の旧加賀藩主前田斉泰邸に建てられたもので、関東地方に現存する最古の能舞台。
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