西区の市立戸部小学校(有馬武裕校長)で11月25日、同校6年2組の児童が避難所訓練を行った。炊き出しやトイレ設営のほか、夜には体育館で宿泊訓練も実施。小学生による避難所宿泊訓練は区内で初めて。西区では「実際の災害時には避難所で児童生徒の力が大きな頼りになる。区としてもこの様な訓練を各拠点に広げていけたら」と期待を寄せる。
今回の避難所体験は、6年2組の児童が今年4月に今年度の「総合学習の時間」のテーマを決める頃に発生した熊本地震を受け、「横浜で災害が起きた時に地域の役に立てるよう、防災について学びたい」と発案。西区の防災担当者や市民防災センターで避難所生活や防災・減災について学び、街を歩いて危険箇所を探るフィールドワークや地域の防災訓練にも参加して勉強を重ねていった。
今回の避難所訓練はその集大成のひとつとなるもの。昼間は、避難所生活で必要となりそうなものを各自で考えて持参し、避難所となる体育館の区割りや仮設トイレの組み立てを行い、持ち寄った非常食で食事をとった。そして、一度帰宅してから夜の部のために再登校。災害時の停電を想定して、真っ暗な校舎の中から毛布などを体育館に運び、持参したライトを使いながら寝床を作り、宿泊訓練を行った。2日前に雪が降ってこの日も寒さの厳しい中、段ボールを重ねたり寝袋の中に毛布を入れるなど独自の工夫で防寒対策をした児童たち。出石咲楽さんと小澤結衣さんは「夜の暗い校舎は怖かった。でもみんなで協力すれば怖くないし、大切だと思った」と感想を話した。訓練にあたって児童の安全を最優先に考慮したクラス担任の鈴木紀知教諭は「今日の訓練は保護者や地域の多くの方の協力で実現できた。子どもたちは失敗したことも多くあったと思うが、訓練ではそれが大事。今日経験したことをしっかり役立ててほしい」と語った。
西区の危機管理・地域防災担当者は「素晴らしい取組み。ぜひ区内で広げていきたい」と話していた。
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