中区本郷町の吉野裕一さん(51)は1月8日から米国に渡り、中西部にあるイリノイ大学の日本館で31畳分の畳替えを行った。
これは、吉野さんが参加する畳店ネットワーク「畳屋道場」が昨年の夏に同大学の日本人会から依頼されたもので、海外での活動は初めて。畳屋道場の代表を務める鏡芳昭さん=山形県寒河江市=と、アメリカ滞在歴のある中島拓也さん=屋久島=の3人で訪米し、作業を行った。作業最終日には関係者を前に、畳について3人でプレゼンテーション。鏡さんは、国産のイ草にこだわる畳屋道場の方針を語り、中島さんは英語力を生かし説明を担当。吉野さんは、畳替えの実演を行うなど技術を披露した。その取り組みは地元の新聞にも取り上げられるほどの高い注目度だった。
参加した米国人からは畳の機能性に関する質問が寄せられたという。吉野さんは「吸湿性や温度調整機能、また空気浄化などの畳の特性に興味を示していました」と話す。同大学以外にも、日本建築がある数カ所を視察し、18日に帰国した。
吉野さんが参加する畳屋道場は、日本の畳文化を継承していくために2006年に鏡さんが設立。定期的に熊本県のイ草農家を訪れ生産者と情報交換し、より良い畳づくりに取り組んでいる。現在、山形県から鹿児島県まで全国16の畳店が加盟。2月24日には資生堂銀座ビル花椿ホールAで全国的に活躍するアートディレクターや芸術大学の教授らとともにトークイベント『世界は畳を待っている』を企画するなど、新たな畳の可能性を模索している。
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