神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
中区・西区版 公開:2017年3月16日 エリアトップへ

日本丸、国の重文へ 海上保存の帆船として初

社会

公開:2017年3月16日

  • LINE
  • hatena
帆を広げる日本丸=同財団提供
帆を広げる日本丸=同財団提供

 みなとみらい21地区に保存・公開されている「帆船日本丸」(以下、日本丸)がこのほど、国の重要文化財に指定される見通しとなった。3月10日に開かれた文化審議会文化財分科会の答申を受けてのもの。船舶資格を有し、浮かべた状態で保存されている船舶としては初の文化財指定となる。日本丸を管理する(公財)帆船日本丸記念財団の金近忠彦代表理事は「恒久的に保存されることになる」と喜びを口にしていた。

 日本丸の重要文化財指定は、水上に保存されている船としては昨年指定された山下公園の氷川丸に続き2隻目。指定は、文化庁の手続きを経て今夏の見込み。

 日本丸は、1930(昭和5)年に建造された日本を代表する船員養成の練習帆船。製造所は(株)川崎造船所(現川崎重工業(株)船舶海洋カンパニー神戸工場)で鋼製。全長約97m、幅約13mの大型船で総トン数は約2278トン。

 今回の答申は、長期間にわたり船員を養成し日本の海運業の発展に貢献、また稀少な戦前期建造の船で海運史、造船技術史など研究上の貴重な点が、文化財として評価された。近代産業の遺産で稼働中の船舶などが国重文に指定されることは珍しいという。

 日本丸は、戦前は主に太平洋で訓練の遠洋航海を重ねた。太平洋戦争中の43年には帆の部分(帆走艤装)を撤去、船体も白からねずみ色に変わり、瀬戸内海で石炭輸送に従事。終戦後は引揚者の帰還輸送、50年の朝鮮戦争勃発後は兵員などの特殊輸送、また南方八島の遺骨収集航海も行った。帆の部分が復旧し、53年から帆走による遠洋航海を再開。84年に国から横浜市に譲渡され引退し、翌年から一般公開されている。現役の54年間に1万1500人の船員実習生を育てた。

恒久的保存に期待

 3年前から重文指定の働き掛けを行ってきた帆船日本丸記念財団の金近代表理事は、今回の答申を受け「悲願でした。これで恒久的に保存ができる見通しがつくことになる」と語っていた。また、日本丸係留後、一度も水を抜いていないという1号ドック(2000年、国重文指定)とともに修繕し、市民に公開したいと期待をする。

 答申を記念し3月20日には日本丸・横浜みなと博物館が入館無料に、4月16日には今年初の全ての帆を広げる「総帆展帆」が行われる。
 

中区・西区・南区版のトップニュース最新6

3団統合し新体制に

中消防団

3団統合し新体制に

大規模災害への備え強化

4月18日

障害者診療「限界近い」

横浜市歯科保健医療センター

障害者診療「限界近い」

二次機関拡充求める声も

4月18日

50年後 中・西区は増

横浜市人口推計

50年後 中・西区は増

南区は2万9千人減

4月11日

文化の発展担い60周年

横浜市民ギャラリー

文化の発展担い60周年

アートを親しむ場に

4月11日

連携で火災被害最小限に

南区の小中学生

連携で火災被害最小限に

冷静対応、消防署が感謝状

4月4日

「今昔かるた」が完成

西区

「今昔かるた」が完成

歴史や魅力の発信へ

4月4日

あっとほーむデスク

  • 4月4日0:00更新

  • 3月21日0:00更新

  • 2月15日0:00更新

中区・西区・南区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

ハープで名曲奏でる

みなとみらいホール

ハープで名曲奏でる 三浦市文化

4月27日にコンサート

4月27日~4月27日

中区・西区・南区版のイベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月19日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook