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最新号:2010年9月 2日号
2010年7月29日号
市大病院そばの浦舟町5丁目で予定されている簡易宿泊所の建設に付近の住民が反対し、事業者側との対立が続いている。住民側は住環境の悪化などを理由に建設反対を主張するが、事業者側は「法的に何ら問題はなく、住民の反対運動は簡易宿泊所や宿泊者に対する差別や偏見に基づくもの」とし、両者の溝が埋まる気配が見られない状況だ。
建設が予定されているのは簡易宿泊所「アネックス末広」。計画書によると、9階建ての予定で、約4畳の部屋が76室設けられる。建築主は、中村町や中区三吉町で簡易宿泊所を経営する「末広荘」。8月20日に工事を始め、来年6月末に完成予定。
簡易宿泊所は一般的に安い料金で宿泊できる施設のことで、アパートのように長期滞在する人もいる。南区生活衛生課によると、現在、区内には7つの簡易宿泊所が営業しているという。
1万筆の署名も
それまで時間貸駐車場だった場所に建築計画を知らせる看板が立ったのが5月21日。これを受け、浦舟町西部町内会と白妙町二部町内会では末広荘に説明会開催を要望し、6月13日と20日に開かれた。住民側からは「簡易宿泊所というと、中区寿町のような景観を連想し、不安を覚える」と住環境の悪化などを理由に建設反対の声が相次いだ。末広荘の葉山広社長は「商業地域なので、建設は全く問題ない」とした上で「宿泊者に迷惑行為をしないなどの利用規約を遵守してもらい、防犯カメラを14台設置するなど、寿町とは異なる環境で運営し、館内清掃もこまめに行う」と反論したが、住民側は納得しなかった。その後、住民側は建築許可を行う市建築局に調停を申し入れた。さらに、寿東部連合の10町内会などから建設反対の署名を1万筆以上集めた。
建設予定地のそばに住む男性は「浦舟が寿町のような簡易宿泊所街になっては困る」と、今回の建設が第2、第3の建設につながることを懸念する。本紙の取材に葉山社長は「私が経営する2ヵ所の宿泊所では周辺住民からの苦情はない。ぜひ、現場を見てほしい。寿町の独特の雰囲気だけで建設に反対するのは、簡易宿泊所に対する差別、偏見、そして排除である」と話す。
宿泊者6割超が生活保護
葉山社長によると、簡易宿泊所宿泊者の6割から7割が生活保護受給者で、あとは短期の建設作業員や外国からの旅行者だという。市の資料では、今年3月末時点の南区の生活保護受給世帯数は約4800で、3年前から2割増加している。市内では寿地区を抱える中区に次いで多い。「生活保護受給者は生活が乱れやすいのでは」という住民側の指摘に葉山社長は「大半の人は日中、病院に通ったり、散歩をしていることが多く、住民の意見は偏見がある」という。
現在、市関係部署と住民側の話し合いが行われており、建築の許可はまだ出されていない。葉山社長は「許可が出れば粛々と工事を行う」としている。