今年、市編入100年となる蒔田地区の連合町内会長を務める 水野嘉和さん 共進町在住 74歳
義理と人情の「ガキ大将」
○…1911年、久良岐郡大岡川村にあった蒔田が横浜市に編入して今年で100年目を迎える。戦国時代、北条氏と姻戚であった吉良氏が「蒔田御所」を構えた歴史のある地域。地区の代表的な場所である杉山神社は一昨年、鎮座800年を迎え、昨年まで記念行事が続いた。また、自身の出身校である日枝小は昨年秋、創立100周年とおめでたい話が続く。
〇…市編入の2年後に蒔田で産業振興などを目的に行われた博覧会「横浜勧業共進会」に伴う開発で父親が蒔田に住み始めた。「20人の子分を連れて歩いていた」という小学生時代は典型的なガキ大将。「今もそのクセが抜けなくて」と笑う。磯子の海を泳ぎ、大岡川で魚釣りを楽しんだ。いつも遊び道具は子分から”調達”。「手にしたビー玉を安く売っていた」というから、当時から商才があったのかも知れない。共進中、Y校と進み、水泳部では県大会優勝の実績を持つ。
〇…卒業後は貿易商社に勤務。慣れない英字タイプとそろばんを駆使したが、オイルショックの余波もあり、36歳で退社。先にゴム製造業を始めた弟に「仕事を教えてくれ」と頼み、38歳で起業。自動車ドアのゴムなどを作った。大手メーカーの担当者にも気に入られ、仕事を軌道に乗せる。今では電気メーカーの下請けも担当。生産数が少ない特殊な製品を得意にする。
〇…17年前、父が副会長を務めた共進町1丁目町内会の会長に。6年前から連合町内会長を務める。「人がやらないことを率先してやるので、みんな協力してくれる」。子育て支援施設を運営するNPO法人「さくらザウルス」理事長の肩書きも。「住民サービスを受けられるメリットは大きい」と町内会への加入を促す。今は卑弥呼など古代国家の成り立ちを本で学ぶのが楽しみだという。ガキ大将から町内会長へ―。「義理人情のまち」と評する蒔田で先頭に立ち、まちを牽引する新しい年が始まった。
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