市立永田台小学校(住田昌治校長、児童数464人)がこのほど、環境問題などに対する取り組みが認められ、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)から「ユネスコスクール」の認証を県内で初めて受けた。花や生き物を育てながら「環境」や「生命」について考える取り組みを進め、地域が一体となって環境を守ろうとしている。
「ユネスコスクール」は、ユネスコの理想を実現するために、平和や国際的な連携を実践する学校。地球規模の問題に若者が対処できる新しい教育の開発、発展を目指すもので、世界180カ国で約8500校が認証を受けている。日本では昨年11月現在で237の幼稚園や小、中、高校などが参加。県内の学校では、昨年11月の永田台小が初の認証となった。
学校経営の柱に
校内に小さな池があり、屋上には花壇を持つ同校。5年ほど前から池や花壇を整備し、メダカや花を育てていた。それを発展させようと、昨年春に着任した住田校長が中心になり、「環境」や「生命」を授業や学校経営の柱にしてきた。これらは、環境や人権などについて、その担い手となる人間を育てる「持続発展教育」(ESD)と呼ばれ、国全体でも取り組もうとしている。
6年生は昨年、屋上の花壇を整備し、菜の花やミニトマトなどの野菜を育てた。作った野菜は同校付近の高齢者施設を訪れてプレゼント。「生産」から「消費」の現場を体験することにより、児童は農家の大変さや消費者とのつながりを考えるきっかけになったという。
1月22日に行われた同校の学習発表会「かがやき祭」では、6年生が地産地消や食品添加物について調べた結果を発表。児童は「添加物の中には、体に必要のないものもある」と「食」と「生命」の関係について考えていた。
卒業後も関係を
全国のユネスコスクールとも情報交換を行う住田校長は「子どもの学習意欲を引き出せるようになり、何かを伝える発信力が高まった」とESDの成果を語る。今後は、花や生き物を卒業生や地域住民と一緒に管理する「応援隊」を組織し、児童が卒業後も環境問題に取り組める仕組みを作っていきたいという。
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