全国的に生活保護世帯が増加傾向にある中、南区でも受給世帯が10年前の1・6倍に増えていることが分かった。横浜市内では18区中2番目に多く、区では担当職員を増やすなどしているが、全体の半数近い高齢単身世帯への対応などに追われている。
今年5月時点、市内全体の生活保護受給世帯は4万9968世帯。10年前の2002年は約3万世帯だったため、約1・7倍に増加した。南区でも同様の傾向で、02年比で1・6倍に増えた。5月時点で5566世帯、7308人が生活保護を受けている。受給世帯の4割以上が高齢者の単身世帯で区の特徴を反映している。世帯数は中区(8304世帯)に次ぎ、市内で2番目に多く、最少の都筑区(1047世帯)と比べると5倍以上になる。南区役所保護課では「08年のリーマン・ショック以降に受給世帯が急増した」という。
南区の人口1000人あたりの受給者数は37・4人。市全体では18・5人で、県内の市町村で最も多い湯河原町でも22・3人(10年度)となっており、南区の多さが際立っている。
統計が公表されている中で最も新しい10年度では、南区内の世帯に支給された保護費(医療扶助分除く)は年間約76億5千万円で今年度は80億円を超えることが予想される。
職員増で対応
区は受給者の自立支援を行うケースワーカーを60人配置。受給に関する面接を専門に行う5人を含めて65人で対応しており、2年前より9人増やした。それでも1人で100世帯以上を担当するケースワーカーもおり、平均しても法定基準の80世帯を上回っているのが現状だ。
単身者の訪問先では、買い物や不動産会社との交渉、契約手続きなど、本来はケースワーカーが行わないことも要求されることがあるという。同課では「家を追い出されてしまうなどの心配がある場合は、対応せざるを得ない」としており、負担が増している。
就労を希望する人には6人の専門員が対応しており、「受給生活が当たり前にならないうちに仕事探しをしてもらいたい」という。また、受給世帯の児童・生徒の学習支援を行えるように、今後、民間団体との連携を視野に入れており、受給世帯の子どもが親となって再び保護を受ける”貧困の連鎖”を防いでいく。
申請相談が増加
同課では「生活保護に関する話題がニュースなどで多く取り上げられるようになった5月下旬から申請に関する相談が増えた」としており、「状況を把握しながら、受給者の自立を支援したい」と話している。
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