横浜南保護司会の会長に5月から就任した 塙 圀孝さん 六ツ川在住 72歳
重責に力まず更生手助け
○…犯罪や非行に陥った人の更生を支援する保護司。南区内52人の保護司の代表に就任。7月8日には「社会を明るくする運動 南区推進大会」を公会堂で開催。小中学生に応募してもらった標語の表彰や蒔田小、蒔田中の児童・生徒にソーランや吹奏楽を発表してもらうなど、子どもの参加を前面に出した。「地域の環境を良くし、犯罪を減らしたい。子どものうちから地域とつながりを持ってくれれば」と意図を説明する。
○…自治会長からの依頼で48歳で保護司に。対象者を自宅に呼んで話を聞くのが主な活動だが、中には過去に重要犯罪にかかわった者もいた。「お茶を出す妻の顔が引きつっていた」と苦笑い。ある対象者は少年院から出た後に驚くほど態度が良くなり「施設でここまで更生されるのか」と感じるのと同時に、保護司の役割を再認識した。
○…保護観察所から送られる書類で対象者を初めて知る。いろいろと相手をイメージするが「まずは話を聞いてみないと」。なかなか話が進まない時は「明るく振る舞って話しやすい雰囲気を作る」と気持ちを察しながら向き合っている。時には約束の時間に相手が来ないことも。「来なければ、来ないでいい。更生させようといろんなことをしがちだが、保護司だけで解決できない」と関係機関との協力の重要性を説く。対象者と信頼関係を築く作業は、約70人の更生を支援してきた今でも「毎日悩む」という。
○…デザインの専門学校を出て、グラフィックデザインの仕事に就く。広告代理店ではCMの絵コンテを描き、コカ・コーラの「スプライト」のCM制作にも携わった。今でもフリーのイラストレーターとして活動。「依頼があれば何でもやります」と笑顔。大の日本酒党で全都道府県の酒を飲み尽くそうという会を仲間と企画し”全国制覇”を目指す。「地域を良くして更生につなげられれば」。保護司の重責に力まず、犯罪のないまちづくりに励む。
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