市建築事務所協会南支部長として区の家具転倒防止器具設置事業に協力する 佐藤 惠さん 唐沢在住 69歳
生活空間を描く女性の匠
○…南区を中心に20社が加盟する設計事務所などの団体の代表を昨年から務める。昨年度から家具転倒防止器具設置補助事業を行う南区役所に協力し、支部メンバーが高齢者の家を訪れ、器具に関するアドバイスなどを行っている。「器具を取り付ける場所などを家主と相談しながら決めていくのが難しい」という。支部としては、刻々と変わる建築関係の法律や制度を情報共有することを中心に活動している。
○…大阪で生まれ。中学の時、住宅図面を書く家庭科の授業で設計の面白さを味わった。「父方に大工がいたのだけど、その影響かも」と笑う。大学で本格的に建築を学び、設計事務所に就職。当時、女性は珍しかった。建物を支える骨組みの強度を計算するために「そろばんと手計算を繰り返した」という。建築士の夫が住む横浜で独立し、自宅の唐沢から事務所を関内に移して25年以上が経った。
○…これまでわずか10平方メートルの建物から製鉄工場、13階建ての団地まで、あらゆる設計を行ってきた。「住宅の設計は女性の方が向いている」という。生活空間のデザインに将来、家族が増えた場合のイメージと”主婦の視点”を盛り込むことを忘れない。最近は凝ったデザインを要望する依頼者も増えた。「法律をクリアしながら、いかに予算の範囲内で希望に応えられるか」と思案する。「設計料を払っただけあったと感じてもらえる仕事をしたい」。ハウスメーカーなどの大手に負けない自負がある。
○…学生時代からやっていたテニスで今も汗を流し、当時の仲間とも会う。「友達と会って、しゃべって、飲んで。それが一番楽しい」と笑う。「人の役に立つことがあれば、体が動くうちにやりたい」。同協会では市から木造住宅の無料耐震診断の事業も請け負っており、「一般の方に制度をもっと知ってもらいたい」と願うのは、命を守る家を提供したいから。支部を守りながら、日々前進していく。
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