17日に講演会を主催する「手話サークルかもめ」で中心的に活動する 仁木 美登里さん 三春台在住
手の会話から世界広げる
○…「聴こえる人と聴こえない人が同じ立場で、ともに社会を歩んでいくために理解を深めていく―」。南区で40年近い歴史を持つ「かもめ」では現在、約30人が活動。手話技術の取得だけではなく、相互理解を重視する。毎週木曜、フォーラム南太田に集まり、活動を行う。年明け最初の活動では、メンバーが手話でお正月の過ごし方を説明。その中で、手話の読み取りを頼んだり、笑顔で冗談を交えながら楽しく進行するなど、まとめ役を果たす。
○…小学生の時、テレビで手話通訳を見て「手で話すのって面白そう」と感じた。その後は、ろう者の友人との交流を通して、手話を身に着け、2000年に「かもめ」に加わる。毎週の定例会は、勉強というよりコミュニケーションの場。年齢も職業も異なる人が手話を介し、交流を図る。「『手話を学ぶ』のではなく『手話で学ぶ』」。現在は、手話通訳士として県内のろう学校に勤務している。
○…手話を覚える苦労はないというが、一つの言葉でも複数の手話表現があったり、その反対があったりと、難しさはある。それでも「そのちょっとした違いが楽しい」と笑う。「からかわれたり、からかったり、聴こえる人同士でやっているような当たり前のことを、ろう者ともできることで世界が広がる」。手話が分からなければ、深く会話できないような人々と議論し、時にはけんかもする。普通のことだが、それが何より楽しい。最近では、国際手話の勉強も始め、文字通り、世界を広げている。
○…学校の校舎など、古い建物を見て回るのが好き。西洋文化を取り入れた横浜の歴史的建造物に魅力を感じている。今年から南区内の寺社を歩き「ご朱印集め」を始めた。「1年かけてゆっくり回りたい」という。注目を浴びることが少ない手話だが、「日本語とは違う手話ならではの魅力を知ってほしい」と願い、きょうも「手の会話」で心を通わす。
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