蒔田町在住の主婦、片岡直子さんが脚本と絵を手掛けた大人向けの紙芝居『おどりばダンスホール』がこのほど、雲母(きらら)書房から出版された。
片岡さんは教員として働き、退職後に手作り絵本や紙芝居作りを開始。約20年間、オリジナルの作品を描き続けているが、出版されたのは初めて。
作品は、妻に先立たれた元鳶職人の「げんさん」がまちのダンスホールで人気者となったが、ふとしたことから家に引きこもるようになる。ある日の夜、飼い猫がめかし込んで出掛けるのを不思議に思い、後を付けていくと信じられない光景を目にする――というストーリー。
モデルは父
「両親が好きだったダンスをいつか題材にしたかった」という片岡さん。「げんさん」は父がモデルだという。舞台の「おどりば」は、夜になると猫が集まって踊るという言い伝えが残る、泉区の踊場からとったもの。教員時代は泉区の中学校で教えていたこともあり、言い伝えを知っていた。
2010年に作品を制作。その年の紙芝居コンクールで入選したことがきっかけで「見ると元気になる」と高齢者施設の関係者などから作品のコピーを求める依頼が相次いだ。昨年、介護や医療関係の本・紙芝居を扱う雲母書房に作品を持ち込み、出版が実現した。
片岡さんは「どんな人がどんなところで見てくれるだろうと思うとワクワクする」と話す。
作品は2520円。問い合わせは雲母書房【フリーダイヤル】0120・60・3343。
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