毎年7月から10月にかけて件数が増す、各区へのスズメバチ駆除に関する相談。市健康福祉局によると、2013年度の市全体の相談件数は8月末までで1625件に上り、昨年の同じ時期に比べて646件増加していることが分かった。市では「この時期、スズメバチの巣はとても大きくなる。自分で何とかせずに、各区に相談してほしい」と注意を呼びかけている。
スズメバチが活動し始めるのは毎年4月ごろから。まず、越冬した女王バチが1匹で巣作りを始める。春先、直径7cmほどだった巣は、産卵した卵が次々と羽化して働きバチとなる6、7月ごろには直径10cmほどに成長。最終的に9月ごろには、直径20cmから30cmぐらいまで巨大化する。
南区も2割増
スズメバチ駆除に関する相談は、市全体で年間1600件以上寄せられる。13年度は特に多く、8月末現在で早くも1625件。市はこのペースが続けば最終的に2400件に達すると予測する。市民から相談を受けた各区は、自分で駆除をする場合の対処法のほか、駆除を依頼する場合には、公益社団法人神奈川県ペストコントロール協会を案内し、対応している。
同協会が13年度、神奈川県内でスズメバチの駆除を行った件数は1475件(8月末現在)。昨年の同時期に比べて957件増加している。「今年度は横浜市を含め、神奈川県全体で駆除件数が増えている」と担当者は話す。
8月末現在、市内18区で相談件数が最も多いのは戸塚区(241件、前年比133件増)。以下、港北区168件(同51件増)、金沢区153件(同105件増)と続く。南区は60件で前年に比べて10件増えている。同局の担当者は「相談件数が多いのは緑の多い区だが、中区や西区などでも山側では巣が確認されることがある」という。
南区役所生活衛生課によると、今年、区内でスズメバチに刺された被害は報告を受けている分だけで2件。そのうち1件は、巣を駆除しようとして刺されたもの。同課は「アシナガバチの巣と違い、スズメバチの巣を一般の人が駆除すると危険な場合もある」と話す。
春先の好天影響か
40年以上スズメバチの研究を続けている中村雅雄さん(保土ケ谷区在住)は、相談件数が多い要因を「4月から6月ごろの天気が比較的安定していたので、巣が壊されることが少なかった。そこに3、4年周期のスズメバチ発生ピークの年が重なったからでは」と分析する。また、「これから遠足などで自然の中に入る機会が増える。目立たないところにも巣があるので注意を」と話す。
同課は「スズメバチの巣は5月くらいからでき始めるので、早いうちに駆除するのが大切」とした上で「11月中旬まで活発に活動するので、注意が必要」と呼びかける。
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