くらすの桜井美佳室長
横浜市は学齢後期（中学生、高校生年代）の発達障害児を対象に、相談や助言などの支援を行う学齢後期発達相談室「くらす」を12月３日、上大岡にオープンさせた。
発達障害は、自閉症、アスペルガー症候群など、脳機能の発達に関係するもの。他人との関係づくりやコミュニケーションが不得意で、理解されにくいのが特徴だ。そのため、周囲の理解と適切なサポートが必要とされている。
市は小学校期までの発達障害児に対して相談と診療などを行う地域療育センターを南区清水ヶ丘など、市内に８カ所整備している。しかし、発達障害児は学齢後期となってから不登校や引きこもり、非行といった課題が顕在化するケースも多い。そのため、２００１年から小児療育相談センター＝神奈川区＝、08年から市総合リハビリテーションセンター＝港北区＝で学齢後期の発達障害児に対して相談と診療を開始した。
相談増加に対応
09年度は２カ所で４２０５件だった相談件数が、発達障害に対する認知度の高まりもあり、12年度には１万２０５９件にまで増加。市は両センターに続き「くらす」を設置することで、増加する相談に対応しようとしている。
医療機関とも連携
「くらす」の運営は社会福祉法人「横浜やまびこの里」＝本部・都筑区＝が担う。桜井美佳室長を含め５人体制で、開所は火曜から土曜の午前９時から午後５時30分まで。利用対象は発達障害やその疑いがある生徒、その家族など。診療機能を持たないため、必要に応じて専門医療機関と連携する。
桜井室長は学齢後期に適切な支援を受けられなかった発達障害児は、症状が悪化するケースも多いと説明しており、「適切な支援を受けることが大事」と対象者に相談することを呼びかける。詳細は、くらす【電話】０４５・３４９・４５３１。
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