母乳育児支援コラム17 抱いて、見つめて、話しかけて 保健師 朝倉 きみ子〈生きるための原始反射〉
刺激、音に反応
生後2〜3カ月までに見られる反射のことを「原始反射」と言います。これは赤ちゃんが生きるために自然に備わっている能力です。
主な原始反射には、赤ちゃんの手のひらに大人の指などを入れると「ギュッ」と握る「把握反射」、赤ちゃんの口元に小指や乳首などを持っていくと、ちゅぱちゅぱ吸い付く「吸綴(きゅうてつ)反射」、音の刺激などで上肢を大きく開き抱きつこうとする「モロー反射(びくつき)」などがあります。
把握反射では、生まれたばかりの赤ちゃんでも驚くほど力強く握ります。
吸綴反射が出ると、眠りながらでも自分の唇を吸うことがあります。また、似たもので、口角や頬に指や乳首が触れるとそれを追いかけて探すように口に含もうとする「追求反射」があります。知らないうちに赤ちゃんは物を飲むという動物的に必要な行動を取るので「おなかがすいているのかな?」と思い、ミルクなど飲ませ過ぎることがあります。
「びくつき」のモロー反射は、日ごろの音の刺激で見られます。掃除機やテレビの音などの大きな音よりもチャイム音や新聞紙をめくる音など、かすかな音でも見られる場合が多いようです。赤ちゃんがお母さんの腕の中で寝て、ベッドに降ろす際、モロー反射で起きてしまうことがあり、寝かしつけるのが大変な時があります。その際、おくるみなどで身体を包み、足を高くするか横向きに寝かせるなどすると反射が出にくく、安心して寝てくれます。この方法は、泣くことが多くて困る時も有効です。
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