母乳育児支援コラム20 抱いて、見つめて、話しかけて 保健師 朝倉 きみ子〈授乳量が少なくても、赤ちゃんは満足〉
ある双子は小さめで生まれたので、生後3日間はミルクを与えられていました。お母さんが動けるようになってからは混合になったのですが、乳首が小さく、2人がよく吸えなかったこともあり、母乳とミルクの比率が2対8程度になっていました。できるなら母乳の比率を上げたいと考え、授乳方法を変えて観察してみました。
▽ミルク100%の日と母乳100%の日を交互にする▽母乳100%の日に授乳後、泣く場合のみミルクを足す▽夜中の授乳は母乳のみ――として、体重測定も始めました。搾乳をすると、朝100㎎程度、昼70㎎程度、午後20〜30㎎、ミルクは100〜120㎎を7回授乳しました。その結果分かったことは、母乳の出る量はミルクに比べて著しく少ないにもかかわらず、赤ちゃんが授乳後に泣かずにそのまま寝るということ。そして機嫌も良く、よく動きます。母乳の日は授乳後に2時間ほど寝ました(ミルクの日は約3時間寝ます)。これは、あるお母さんの体験です。
体重は気にせず
このお母さんの例のように、分泌量は午後に落ちることが多いようです。母乳の量を増やすためには、母乳の回数を多くします。時間に関係なく、赤ちゃんが母乳を欲しがるだけ与えます。ミルクを足すなら、母乳の後に昼間だけ1回60㎎を上限にあげてみてください。夜は今までと同様に母乳だけでやってみてください。赤ちゃんの体重や飲んだ量をあまり気にせず、赤ちゃんの様子をよく観察しましょう。元気と機嫌は健康のバロメーターと言います。
|
|
|
|
|
|