市立永田台小学校(住田昌治校長)が環境や生命について考える取り組みを始めて5年が経過した。児童は校内畑での農作物育成などを通し、環境問題や命について考えるようになった。昨秋には、教諭やPTAを中心に学校の「良いところ」をイラストにまとめた校内の地図(サステイナブルマップ)を作成。今後は住民と一緒に見つけた地元の良さを付け加え、地図を拡大。学校と地域との「つながり」を強化していく。
国内外から注目
昨年、創立40周年を迎えた永田台小は2005年頃から校内にある池や花壇を整備し、メダカや花を育てた。その後、10年に住田校長が着任。「環境」と「生命」に関する取り組みを柱にし、「命」をテーマにした授業を全校的に推進。同年秋には県内唯一の「ユネスコスクール」に認定され、韓国の小学生や教諭と互いの文化に触れる授業が行われるなど、取り組みは国内外の教育関係者から注目される。住田校長は「相手の文化を受け入れることが大切。排他的になってはいけない」と話す。
命の大切さを考えるため、低学年は植物栽培、高学年は野菜作りや生物が生活しやすい環境整備などに取り組んだ。ホタルが住み良い環境を作ろうと5年生の時に「ホタルプロジェクト」に参加した小谷優衣さん(6年)は「生息地を調べて校内にビオトープを作った。環境について考えるようになった」と振り返る。
地域課題、児童が考える
昨夏には通学路の安全対策などを検討する「スクールゾーン対策協議会」に5年生が参加。改善策などを提案して話題を集めたほか、児童が防災拠点訓練に参加するなど、地域と積極的に関わった。北條円佳さん(同)は「地元の清掃活動に取り組む中学生もいた。自分もそうした活動に参加したい」と地域への意識が変化したと強調する。
これまでの集大成として昨秋、学校の「良いところ」を集約した校内の地図(サステイナブルマップ)を作成。教員やPTAが意見を出し合い、学校の良さをイラストで表現した。地図には今後、児童が住民と関わる中で見つけた地域の良さを描き加え、学校周辺までイラストを拡大。仕上がった地図を周辺住民に配布することも検討している。
住田校長は5年間の成果を「児童は命の授業の積み重ねで『人の役に立つ生き方』を日常で考えるようになった」と述べ、「マップを作ることで地域とつながり、地域の良さを共有したい」と今後の展望を語った。
南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>