〈連載〉さすらいヨコハマ⑨ 美空ひばりの思い出 大衆文化評論家 指田 文夫
美空ひばりが近代以降の日本の歌手、俳優の中でナンバー・ワンだということは誰も異論のないところだろう。彼女に匹敵するのは、森繁久弥くらいしかいないと思う。
私の数少ない自慢の一つは、彼女の公演を実際に見たことである。1977年と83年の2回で、この11月の新宿コマ劇場公演は、雑誌『ミュージック・マガジン』に劇評を書いた。美空ひばりについて書かれたものは無数にあるが、公演についてきちんと雑誌に書かれたものはほとんどないと思う。
第一部は「水仙の詩(うた)『たけくらべ』から」で、美登利はもちろん美空ひばり、信如は橋爪淳だった。演出は、東映監督の沢島忠で、「たけくらべ」の後に「婦系図」を足したような芝居で、あまり感心できなかった。だが、二部の唄は本当に素晴らしかった。
6月20日の大岡地区センターの「大岡サロン」では、美空ひばりが「演歌の女王」ではなく、今日のジャパニーズ・ポップスの源流というべき存在だったことを私がCD、ビデオなどを使って講演する。お時間のある方はどうぞ。今後、9月、11月にも横浜に関係した話をする予定。
講演は6月20日、午後1時から2時30分ごろまで。問い合わせは大岡地区センター【電話】045・743・2411。
(文中敬称略)
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