30周年記念コンサートを行う蒔田中PTAコーラス「コール花の木」で代表を務める 山室 美和子さん 堀ノ内町在住 63歳
やり遂げる母、晴れ舞台へ
○…18年前に同会の代表に就任。設立20年から5年ごとに行っている「周年コンサート」は今回で3回目になる。「会を重ねるごとにレベルが上がり、表現力がついた」とメンバーの成長に笑顔。晴れ舞台を盛り上げようと、17人の「お母さん」と一緒に直前練習に力が入る。「『良いステージにしたい』というみんなの熱意を感じている」。その眼差しは真剣そのもの。
○…福岡県出身。一つ上の兄がブラスバンドをやっていたこともあり、音楽に興味を持ったが「兄に『妹と同じ部活が恥ずかしい』と言われて自分は入れなかった」と苦笑する。福岡の商業高校に1年間通った後、中退して横浜へ。川崎の製造会社に就職するが、「高校くらいは卒業したい」と感じて19歳で横浜商業高の夜学に通い、昼間は会計事務所で働くようになった。「何かを始めると最後までとことんやってしまう」と自らを表現する。
○…22歳で母を亡くす。年の離れた弟と妹がいたことで「心細かった」と振り返る困難にも、とことんやり遂げる強い心で「母親役」を全うする。「妹が嫁ぐのを見届けてから自分も」と29歳で結婚。長女が蒔田小学校に入学した後、「九州出身で近所に知り合いが少なかったから、仲間を作りたかった」と小学校のPTAコーラスに入った。「”ハモる”ことが気持ち良くて」と合唱の魅力に引き込まれ、蒔田中学校でも継続。「みんなで歌うと、また次の一週間もがんばろうと思える」と今でも毎週エネルギーをもらっている。
○…趣味は「合唱以外はない」と笑うが、2年前までプロ野球千葉ロッテの投手だった次男の”追っかけ”をしていたことも。「試合を見ている時は心配で生きた心地がしなかった」と優しい母の一面を見せる。「先のことは考えられないけれど『花の木』のメンバーは生涯の仲間。できる限り続けたい」。とことんやり遂げる母親たちのステージが間もなく幕を開ける。
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