母乳育児支援コラム22 抱いて、見つめて、話しかけて 保健師 朝倉 きみ子〈おっぱいは薄くならない〉
看護職を経験し、4年間のブランクの後、子育て支援センターで育児相談を受け始めたという方からお問い合わせがありました。
問い合わせは▽「1歳近くで母乳は薄くなり、栄養がない」と書かれている育児書がある▽フォローアップミルクに変えた方が栄養的に良いのではないかと思っている母親がいる▽「母乳には鉄分が足りないのではないか」と母親に聞かれると答えに窮してしまう――というものです。
新生児医療に取り組まれた故山内逸郎先生の調査によると、2カ月児から1歳半児の母親を対象に、母乳の飲ませ始め、中ほど、飲み終わり、それぞれの試料と朝、夜の母乳の試料を分析したところ、母乳育児の成分は変わりませんでした(山内逸郎著『母乳についての22の手紙』から)。
おっぱいが薄くなるという考えが母乳育児を長く続けるための大きな弊害になっているようです。しかし、母乳は薄くなりません。お母さんは自信を持っておっぱいをあげ続けて下さい。
「白い血液」
おっぱいは「白い血液」と言われています。お母さんの食べたもので作られ、乳房を通しておっぱいとして赤ちゃんの口に入っていきます。今は10に人に6人が人工乳で育てられた時代の子どもが親になっています。言い換えれば、その時代に子育てした方がおばあちゃんになっている時代です。その時代の育児の常識が今の時代に合わなくなっているとも言えます。
「森を見て木を見ず、木を見て森を見ず」という言葉がありますが、物事の本質が見えなくならないようにしたいものです。人の子は人のお乳で!
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