南区剣道連盟の会長を務める 須田 洋一さん 井土ヶ谷下町在住 66歳
逃げない心で挑戦続ける
○…理事長、副会長を経て昨年4月から会長に就任。区内で行われる剣道大会の運営など、競技の発展に尽力する。昨年の春季大会では「少しでも多くの選手に出てもらいたくて」と大人が出場する「一般女子の部」を年齢別で2つに分けた。参加者が増えたこともあり、今年は男子でも試みることが決定。「気持ち良く試合ができる環境を作れたら」と優しい瞳で語る。
○…生まれも育ちも南区。井土ヶ谷小に通った2年生のころ、永田にある川原道場の館長に誘われ、道場の一期生として剣道を始めた。「師匠に何度泣かされたか分からない」と稽古に明け暮れた日々を懐かしそうに振り返る。小学3年で出場した市大会では、体の大きな上級生も参加する中で表彰台に立った。試合の時は、師に教えられた「逃げない心」を持ち続ける。「気持ちで負けたら剣道に勝つことができない」と鋭い眼差しを見せる。
○…大学では土木を学び、市内の建設会社に就職。25歳で結婚し、2人の息子を授かった。剣道から離れていた31歳の時、師が他界。道場の遺志を受け継ごうと、その他の門下生と一緒に川原道場剣友会を発足。自らも約10年ぶりに道場に復帰した。現在は会長として、小学生から大人まで50人以上を指導する。「10回言ってもできなかった子が、1、2年経つと形になる。試合に勝つ姿を見ると嬉しい」と成長を見守る。
○…妻と父、次男と井土ヶ谷下町で暮らす。日中は重役を務める建設会社で勤務し、夜は道場へ。週末は試合などで外出することも多い。慌ただしい日々の中、息抜きは20歳から続けているというゴルフ。「ピーク時は『ハンデ8』までいった」と嬉しそうにほほ笑む。剣道では最高段位の「八段」取得を目指し、6年前から審査会に挑戦する。何度も諦めようと思ったが、頭をよぎるのは”逃げない”という師の教え。「体が元気なうちは挑み続けたい」。その教えを受け継いでいく。
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