区庁舎移転に伴い、2月から試験運行している区西部から区庁舎へ直行するシャトルバスが来年2月で廃止されることが決定した。シャトルバスは区民の要望を受けて1年間の試験運行を始めたが、利用者数が運行継続目標の約6割だったために終了する。シャトルバス運行に代わり、来年2月以降は区西部から区庁舎へバスを乗り継いでいく場合、市営バスの一部路線の運賃が半額になる措置が講じられる。
旧区庁舎には、区全域からバスを乗り継がずに行くことができた。しかし、区東部に移転した新区庁舎へ西部から乗り換えなしで行ける便がないため、住民の要望を受けて市交通局が2月8日から直通バスの運行を開始。南永田団地から六ツ川、別所を通り、区庁舎へ行くルートで、1日4往復する。料金はほかの市営バスと同じ220円(現金の場合)。南永田団地と区庁舎を約50分でつなぐ。
同局は1年間、試験運行を行い、その後の運行を判断する目標として、区庁舎前の乗降客数を1日120人に設定。運行開始から11月4日までを検証期間としていた。
同局が公表した期間中(183日間)の合計乗降客は1万3221人で1日平均では72・2人だった。目標の6割止まりに終わり、来年2月7日での運行終了が決定した。同局は「1日120人の利用があっても路線単独では赤字」としており、この結果に対して「厳しい数字」とコメントしている。
乗り継ぎで割引
シャトルバス運行終了後も区西部住民の区庁舎への足を確保しようと、南区役所は同局と交渉。その結果、来年2月8日から神奈中バスが運行する六ツ川や南永田団地などから井土ヶ谷下町へ向かう「井10」「井11」「井12」系統の井土ヶ谷バス停に市営79系統の一部が既存のルートを変更して停車。同バス停で神奈中バスから79系統を乗り継いで区庁舎へ行く場合、79系統の運賃が半額の110円になる。別所方面から蒔田駅前を通る神奈中206系統に乗った場合も蒔田駅前で79系統に乗り継ぐ場合は110円になる。いずれも79系統乗車時に口頭で乗務員に申告すると割引が適用される。割引措置は利用状況を見ながら、最大で3年間続けられる。同局によると、割引の口頭対応は市営バスでは異例だという。
シャトルバスの運行終了、乗り継ぎ割引策は区西部の5連合町内会に説明された。ある町内会長は「赤字でも市の責任で運行を続けてほしかった」と話した。一方、別の町内会長は「目標の6割では終了も仕方ない」と理解を示した。
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