全日本剣道選手権大会で初優勝を果たした 勝見 洋介さん 伊勢佐木警察署勤務 30歳
”捨てきった技”で攻める
○…「すぐには実感がわきませんでした」。11月に日本武道館で行われた剣道界最高峰の大会で、4回目の挑戦にして頂点を極めた。家族をはじめ、友人や上司、同僚などから多くの祝辞をもらったという。「今は優勝の喜びをひしひしと感じている」と語る。
○…全日本選手権大会に初めて出場したのは2013年。全国トップレベルの神奈川県において、県予選を勝ち抜くのも「なかなか難しい」と語る。その環境において初出場で予選を突破。本大会ではベスト8まで進んだが、翌年は予選敗退。その悔しさをバネに昨年は準優勝に輝く。そして、今大会の決勝に進み、国友錬太朗選手(福岡県警)と対戦。一瞬の隙をつき、得意技の「小手」で一本勝ちをおさめた。初の個人戦タイトルに喜びはひとしおだ。国友さんは、全国の強化選手としてともに練習をしてきただけに、手の内を知り尽くした仲。勝つためには「攻めの姿勢、”捨てきった技”を出すしかないと思った」と勝因を語る。
○…岡山県出身で3人兄弟の次男。兄に憧れ3歳で剣道を始めた。小中高校、そして進学した鹿屋体育大学=鹿児島県=まで剣道一筋。社会人になっても「トップレベルでやりたい」と日本一の剣士を多数輩出する神奈川県警察の門を叩いた。茅ヶ崎署配属となり、第二機動隊を経て、今年3月から伊勢佐木署に所属する。1月から11月までは、術科特別訓練として剣道づけの日々。数々の大会で高成績を収めることで、警察官の士気向上に寄与する。
○…1歳になったばかりの娘をあやすのが癒しのひと時という。大学の後輩でもある妻には「剣道に集中できる環境を作ってくれて大変感謝している」と目尻を下げた。家族に支えられて大会を終えたのも束の間、また”あの舞台”で試合ができるようにと竹刀を握る。「県警職員として今後も大会で結果を残したい」と2連覇も視野に稽古の日々は続く。
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