井土ヶ谷下町の電気設備工事業、向洋電機土木株式会社(倉澤俊郎社長)が社員の健康づくりを積極的に行っているとして市から「横浜健康経営認証」の事業所に南区で唯一選ばれた。認証28社中、最高評価の5社に含まれた。工事作業時の熱中症対策やメールを使った健康相談などの取り組みが評価された。
「健康経営」は従業員の健康づくりを積極的に行い、生産性や組織力の向上を図るための経営手法。経済産業省が普及を図っており、それを受けて市が独自の認証制度を新設した。
市が昨年11月に認証希望の事業所を募り、市内に本社や支店がある34事業所が応募。評価基準は「従業員が抱える体調不良の内容を把握しているか」「がん検診受診の取り組みを行っているか」など36項目。保健師や経済の専門家らが審査し、最高の「AAA」から「A」の3段階で認証した。
34事業所中、認証を受けたのは28事業所。「健康経営の取組結果を評価し、次の取組につなげている」として「AAA」認証を受けたのは向洋電機土木を含む5事業所。南区の事業所、電気設備工事業からはいずれも同社のみだった。認証期間は4月から2年間。
熱中症予防契機に
同社は社員34人。設備工事の現場管理などが業務で、野外の仕事が多い。作業員が熱中症になるのを防ごうと、2010年から健康管理の取り組みを進めた。最近では、熱中症予防のための水を持っていることを確認するため、現場から本社に写真を「LINE」で送っている。社員が看護師にメールで健康相談ができる仕組みを整えたほか、40歳以上は人間ドッグの受診料を会社が全額負担するなどの継続的な取り組みが評価された。
同社の倉澤社長は「社員が健康であることは、家族の幸せにつながり、一日でも長く勤務しようと思うことにつながる」と健康経営の利点は大きいという。
これまでに「横浜型地域貢献企業」の最上位認定やテレワーク(在宅勤務)推進など、働きやすい職場環境づくりを進めたとして「よこはまグッドバランス賞」の認定を市から受けている。他社から依頼を受けてこうした取り組みを説明する機会も多く、倉澤社長は「他社へのアドバイスを会社の事業の一つにすることも考えたい」としている。
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