〈連載〉さすらいヨコハマ㉙ 映画の中の横浜【4】 大衆文化評論家 指田 文夫
8月19日に中区のニュースパーク(日本新聞博物館)でイベント「映画の中の横浜」を開催しました。80人の方に来場していただき、盛況でした。皆様にお礼いたします。
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横浜が舞台の映画は沢山あるが、横浜をほかの場所にしている作品もある。多分、横浜の映画で最初と思われる1933年、監督・小津安二郎の『非常線の女』には、中区日本大通りの横浜地裁や旧三井物産ビルなどが出てくる。しかし、横浜と特定されているわけではなく、近代都市としての情景である。
60年代後半になると、予算の関係か、横浜が他都市の代わりになっている作品が多い。67年の渡哲也、浅丘ルリ子の『紅の流れ星』。渡は東京で殺人を起こし、神戸に逃げる。だが、神戸のシーンの多くは、横浜の大さん橋、万国橋、新港ふ頭で撮影されていて、渡、浅丘らスター以外は神戸に行っていない。
66年の鈴木清順『東京流れ者』では、渡哲也は横浜や東北で活躍するが、最後に佐世保に逃げる。だが、そこは横須賀であり、佐世保ではない。
この2作品を製作した日活は71年、ロマンポルノに転向する。(文中敬称略)
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