高齢者が要介護状態になっても、地域で暮らし続けられるよう、医療や介護、生活支援の仕組みが連携する「横浜型地域包括ケアシステム」の構築へ向けた南区行動指針の素案が完成し、11月から区民意見募集が始まった。健康寿命の延伸や医療と介護職の連携強化などが盛り込まれている。12月上旬まで意見を募り、2018年3月末までに南区版指針を策定する。
高齢化に伴う医療や介護の需要がさらに高まることが予想されるため、国は25年をめどに、地域包括ケアシステムの構築を推進している。各自治体が主体となり、地域の実情に応じたシステム作りが求められている。横浜市全体では今年3月に行動指針が策定されており、今回意見募集するのは、その南区版。
素案作りへ向け、南区役所は、地域ごとに異なる生活課題を洗い出すため、8カ所の地域包括支援センターで会議を開催。住民や民生委員、ケアマネジャー、薬剤師など、医療や介護に関係するさまざまな立場の人の意見を聞いた。
介護予防など5分野
素案では、南区の目指す方向性を「支援や介護が必要になっても、地域とつながりながら暮らし続けられる」「支援が必要な時に早期相談ができるよう、地域と医療・介護専門職のネットワークを作る」などとした。その上で、▽介護予防・健康づくり▽生活支援の充実▽在宅医療・介護連携▽介護▽認知症対策――の5分野について、具体的な取り組みを掲げた。
「介護予防・健康づくり」では、区民の平均寿命が市平均より短いことなどから、健康づくり活動への参加促進や集いの場づくりを進めるとした。「在宅医療・介護連携」の分野では、高齢者の救急搬送が増えている状況などから、医療・介護専門職と地域との連携強化推進などに取り組むとした。
過程関与で関心高める
素案に対する意見募集は11月1日に始まり、12月8日まで受け付ける。行動指針策定を進める南区高齢・障害支援課は「区民の方の生活に関わることなので、身近なことでも意見を寄せてほしい」と話す。市内のほかの区では、区民意見を募集せずに、区や医療・介護関係者だけで指針を決めることが多い。意見と同時に指針のスローガンも募集し、区民が策定過程に関わることで、指針に関心を持ってもらうねらいもある。
素案はA4判19ページ。区役所と同センターで概要版を配布し、全文は区ホームページでも閲覧できる。
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