南区役所では9月を「自殺対策強化月間」としてさまざまな取り組みを行っている。区は3年前から自殺予防事業を本格的に進めてきた。職員の自殺予防に関する意識を高めながら、病院や区民と連携し、自殺をほのめかす人に気付くことと相談機関につなぐことを意識した活動を続けている。
以前から南区は人口に対する自殺率が高い傾向が続いている。2010年は南区で60人が自殺で亡くなった。09年度の統計では人口10万人あたりの自殺率が30・4人で市内18区中、中区(33・4人)に次いで2番目に高かった。
南区役所は2008年から自殺予防事業に本腰を入れた。専門家を招いて職員向けの研修を行ったほか、うつ病経験者の講演会を実施。当時、市でも自殺予防事業はあまり進んでおらず、モデル区として南区の取り組みが注目された。
翌年からは、自殺予防を推進する人材を育てようと、民生委員を対象にした研修会をスタートさせた。同時に警察、消防に専門家らを加えた会議を設置するなど、連携の輪を広げた。
本格的に取り組み始めて3年半。南区の活動はモデルとして市の事業の参考にもなっている。
気づきとつなぎ
区では自殺のサインに早期に気付き、専門機関への相談につなげることを強く意識し「気づき」と「つなぎ」をキーワードにしている。相談場所を紹介したリーフレットを配布し、専門機関にスムーズにつなげられるようにしている。
自殺予防事業に取り組む区福祉保健課と高齢・障害支援課によると、保険年金課の窓口で自殺を意識させるような発言をした人に窓口職員が気付き、思い止まらせた例もあったという。
事業を始めてから自殺者数に大幅な変化はないが、区では「活動を支援する地域の協力者を増やすことがカギ」とし、民生委員への研修にも力を入れながら、区全体で自殺予防に関する意識を高めたいという。
事業に関する問い合わせは区障害サービス担当【電話】045・743・8246へ。
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