南区薬剤師会の会長を務める 川田(かわた)哲(さとし)さん 通町勤務 53歳
気配りで守る”まちの薬局”
○…南区内の調剤薬局や薬店、80店舗の代表を務めて3年目。「人の和を尊重しながら、リーダーシップを発揮すべき時は発揮する」という姿勢で会をまとめる。薬剤師は9月初旬、市に協力する形で南区の公立小・中学校の放射線量測定を行った。「地域に貢献できれば」との思いは会長になってから、さらに強くなっているという。
○…薬産業が盛んな滋賀の薬店で生まれ、薬剤師を志す。大学卒業後は製薬会社に勤務。営業職として働く中「人と接するのが好き」と感じ、39歳の時に調剤薬局を元の経営者から譲り受ける形で開業。14年経った今では弘明寺付近に2店を構える。大手ドラッグストアの台頭などにより、昔ながらの”まちの薬局”が姿を消す中「地元の薬局をなくしてはならない」と奮闘。会員には「店を辞めるなら、若手に引き継がせてほしい」と呼びかけ、後進の育成にも余念がない。
○…実は開業するまで薬剤師に良い印象を持っていなかった。「単に薬を渡すだけの役割になっていないか―」。その疑問を解消すべく、患者と前面で接することを決意。会の仕事が多忙な今でも店頭に立ち続ける。具合が悪そうな高齢者は家まで送り届け、以前に薬を出したことがある患者には「具合はどうですか」と声をかける。その時、頭をよぎるのは、故郷で一人暮らしをする母親のこと。「弱い立場の人に気を配っていきたい」との思いが「どこの処方箋でもここで薬をもらう」という患者を増やすまでになった。
○…趣味はゴルフ。家ではワインや焼酎を楽しむ。「芋焼酎のロックが一番好き」と笑顔。縁あって開業した弘明寺の地には「人間性が豊かで優しい人が多い」とすっかり馴染んだ。「ゆっくり休みたい気持ちもあるが、走り続けていくのが合っているのかも」。薬剤師として「親孝行しているつもり」で、患者に気を配り続け、頼れる「まちの薬局」の役割を果たしていく。
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