南区老人クラブ連合会の女性部長として高齢者の元気づくり活動に取り組む 木下 弥栄子さん 六ツ川在住 75歳
道徳心が生む地域への思い
○…南区内に約9000人の会員がいる老人クラブ。そのうち、3分の2にあたる6000人が女性。女性部長として年2回のバス旅行や華道教室などを企画する。個人的にはゲートボールを月に数回楽しみ「団体競技で頭も使う」と生きがいの一つになっている。
○…群馬の農家で生まれ、東京で看護婦に。結婚、子育てで一旦は仕事を離れたが、その後、横浜の病院で20年間のパート勤務。60歳で「入ろうと決めていた」という老人クラブに加入した。「多くの先輩を見て、いろいろな生き方があるものだと勉強になった」と振り返る。中には「お手本にしてはいけない人もいたけれど」と苦笑い。入会当初は老人クラブでも”若手”だっただけに「先輩から重宝がられた」という。
○…自宅近くにある神奈中のバス停の周辺にごみが多く落ちているのを見かねて、週1回の清掃を続けた。子どものころ、親から「家の周りは常にきれいに」と言われたことが何十年経っても心に刻まれていた。みんなの場所を大切にする公共心で続けた清掃。「夫に迷惑をかけないように」と朝6時にそっと家を出て、朝食の時間までに戻ってくる。「夫は私が清掃していたことを今でも知らないかも」というほどの徹底ぶり。バス停近くで高校生に会うとあいさつをする。「へその下でズボンを履いているような子でも、笑顔であいさつしてくれるから人は見かけによらない」と笑う。
○…女性部は、フォーラム南太田が行った災害時の行動や意識に関するアンケート調査に協力。「炊き出しなどは女性だからこそできること」と決意を新たにした。行動するためには、やはり健康が一番。「しばらく休んでいた詩吟を始めたい」と願い、11月の老人クラブの芸能大会では女性部が唱歌を披露。「童謡クラブを作りたい」。道徳心から芽生えた地域への思いは、多くの仲間を得ながら大きな広がりを見せ、高齢者に元気を与え続ける。
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