4月から南区町内会長連絡協議会の会長を務める 大津 幸雄さん 新川町在住 80歳
信頼から地域のつながりを
○…南区内の16連合町内会の代表者で組織される協議会。「キャリアが長い人が多く、心強い」とメンバーとの一体感を強調する。月に1度開かれる会議では区側に意見、要望を出すことも多い。「自分は押しが利くタイプではないから」というものの、お三の宮地区の連合町内会長を15年以上務めているだけあって、周囲からの信頼は厚い。
○…磯子区で生まれたが、戦争中は三重に疎開。横浜大空襲からは逃れられたものの、三春台にいた両親と2人の妹を亡くし「悲しいという気持ちにもならなかった」。今でもお三の宮地区では大空襲があった5月29日に法要を行う。「大空襲があったことを忘れないためにも続けたい行事」と言葉に力がこもる。
○…町内会活動に携わって50年以上。今ほど防犯や地域の安全に関心が高くなかった20年以上前から自転車の盗難防止や地域の安全確保に奔走した。「町内会長より楽だから」と言われて引き受けた保護司の活動では、更生を目指す人の相談にも乗った。その中のある女性からバレンタインにもらったチョコレートは今でも自宅の書棚に大切に置かれている。1999年から区社会福祉協議会の会長も務める。同会には「福祉のために」と毎月数千円ずつの寄付を行う人がいる。「気持ちが伝わってくる」と、時には寄付者に自ら連絡し、感謝の気持ちを伝えることも珍しくない。
○…趣味は音楽鑑賞。自宅の一室は鑑賞専用の部屋になっている。「今は道楽をやっている時間はないよ」と残念そうだが、部屋いっぱいに並んだカセットなどの音源は見事に整頓されている。現在の役職は80を超え、手帳は役職ごとに見出しが整理され、予定がびっしり埋まる。「もはや町内会長は名誉職ではない」と気を引き締め、「福祉の輪を広げながら、南区民のつながりを作っていきたい」と年齢を感じさせない力強さと信頼感で南区の町内会を引っ張っていく。
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