看護分野で顕著な功績があった人に贈られる「県看護賞」の受賞者が5月に発表され、南区から浦舟町の市大センター病院看護部長の看護師・折津礼子さんと南区役所福祉保健課長の保健師・高橋節子さんが選ばれた。2人は異なる分野で子どもの虐待防止などに尽力したことが評価されての受賞となった。
同賞は県が毎年行うもので今回で47回目。県民に看護に対する理解を深めてもらうことを目的に看護師や保健師、助産師を表彰している。今回は看護師7人、保健師2人、助産師1人の計10人が選ばれた。
看護師・折津さん
折津さんは主にセンター病院と金沢区の市大附属病院で勤務してきた。附属病院では1991年の開院に携わり、特にエイズ患者を受け入れるための施設整備を担当。「医療に差別を持ち込んではいけない」と積極的な受け入れに取り組んだ。その後、全国組織の「HIV/AIDS看護研究会」の代表を務め、エイズ患者の看護に貢献した。
01年からは日本看護協会の職能委員として幼児虐待を防ぐためのマニュアルを看護職へ浸透させることに力を入れた。06年に看護部長となり、現在は約900人の看護師らをまとめる。「看護師は患者さんの良い”道具”にならなくてはいけない」と語り、今後は「高度な医療に対応できる看護師を育て、安全、安心、信頼を患者さんに与えたい」と目標を掲げている。
保健師・高橋さん
高橋さんは92年に開設された市総合保健医療センター(港北区)の準備から携わり、保健と福祉が一体となった相談体制の確立や人材育成に力を発揮。99年には衛生局(現・健康福祉局)で保健師向けの児童虐待予防マニュアル作りを担当した。03年、神奈川区でそれまで区単位ではなかった感染症対策協議会を立ち上げ、地域と医師らの連携強化に奔走した。
今年3月までは都筑区役所のこども家庭支援課長として、地域で子育てができる環境作りを行い、4月から現職に。90年から2年間、保健師として南区で勤務した経験もあり、20年ぶりに戻ってきた。「『南の風はあったかい』のキャッチフレーズの通り、人情あふれる南区を地域の方と作れるようにしたい」と今後の抱負を語った。
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