尖閣諸島の国有化をめぐり、日本と中国の関係が悪化している。横浜でも中華街の一部行事が中止になるなど、影響が出ているが、約3400人の中国人が暮らす南区では、現時点で行事への影響は出ていない。中国人からは「中国でのデモ行動は行き過ぎ」「中国と日本が仲良くなってほしい」など、騒動を冷静に受け止める声が多く聞かれる。
日中関係の緊張から、中華街で10月1日に予定されていた中国の建国記念日を祝う「国慶節」のパレードは中止になった。南区に住む外国人生活者の支援活動などを行う浦舟町の「みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ」によると、同ラウンジでは、中国に限定したイベントは予定されておらず、ほかの国際交流行事を含め、中止や内容を変更したものはないという。
区内に3400人
9月末現在、市内には約7万5千人の外国人が生活しており、その1割近い7315人が南区に住む。そのうち、半数近い3387人が中国人だ。同ラウンジでは「中華街で働く人が仕事場に近い南区に住むことが多い」とみている。
区内には中国人を含む外国人に日本語や勉強を教えるボランティア団体が多数ある。そのうちの一つ「YMにほんご」で日本語を勉強する大連出身の女性は、日本人と結婚して来日1年半。中国での騒動について「デモをする人は冷静でなく、気持ちが理解できない」という。日本人に対しては「来日前は厳しい人が多いと思ったが、実際は優しい人がたくさんいる」と話した。大連から中国人の夫と4年半前に来日し、中華料理店で働く女性は「デモを起こす人の国を愛する気持ちは理解できるが、店を壊すなどの行動は行き過ぎ」という。2人とも「自分たちの生活に影響はない。中国と日本が良い関係になってほしい」と願っていた。
全校の3分の1以上が外国籍か外国に関係する児童という南吉田小学校。藤本哲夫校長は「子どもの生活には何ら影響がない」と、外国人児童が学校や地域の中で自然に受け入れられていることを強調する。
同ラウンジでは「親身になって相談を聞いてくれる日本人を頼りにしている中国人も多い」と日中関係の改善を期待していた。
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