神奈川県公立高校の入試制度が、2月1日に募集が始まる2013年度入学者選抜から変わる。これまで前期・後期選抜の2回だった選抜機会が1回となるなど、大幅な変更は9年ぶり。新制度に学校現場から「進路指導がしやすくなる」と評価する声がある一方、受験生からは不安の声も聞かれる。
新制度は、全受験生を対象に「学力検査」と「面接」が課せられることが柱。前期・後期だった選抜機会を一体化し、全ての公立高校で「共通選抜」が実施される。一部の高校で採用していた独自問題による学力検査はなくなり、共通問題となる。共通の検査以外に、学校、学科などの特色に応じた「特色検査」を実施する高校もある。市内では、横浜翠嵐、希望ヶ丘、柏陽が自己表現検査として「作文」を実施。光陵、田奈、釜利谷、二俣川看護福祉は「スピーチ」、神奈川総合が「グループ討論」、横浜サイエンスフロンティアが「記述」を実施する。また、荏田の体育コースなどでは実技検査も行われる。
選考は「学力検査」(特色検査)、「調査書」「面接」の全てを活用して判断されるが、各校の比重はそれぞれ違う。市内の全日制普通科34校のうち、横浜翠嵐と鶴見が学力検査に6割の比重を置いた。面接は全ての学校が2割。横浜翠嵐高の渡辺英司校長は「調査書を軽視しているのではなく、翠嵐が求める真の力を見るための選考基準とした」と話す。
調査書の評定扱いに不満も
受験生を指導する教育現場にとって、選抜期間の短縮や選考基準の簡素化によるメリットは大きい。県教育委員会は「前期の合格者と後期の受験者が混在し、授業指導が困難だった」と分析する。
県公立中学校校長会で進路委員会の委員長を務める根岸中=磯子区=の池田佳昭校長は「各校の選考基準が複雑だった以前の制度では、調査書の記載ミスも多かった」と選考基準が簡素化された新制度を評価。一方で、新制度では調査書の比重を小さくし、学力検査や特色検査を重視する学校が多いことに「中学校3年間の取り組みより、(検査の)3日間ほどの結果が重視されることで、生徒がどのように評価され、選考に結び付いているのか分からない」とも指摘する。
受験生からは「前例がないので多少の不安はある」という声も聞かれる。
募集開始は2月1日、学力検査は15日に行われる。
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